anemone

ぼんやりしたり、うっかりしたり。

フィールド・オブ・ドリームス


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MLBの公式戦でフィールド・オブ・ドリームスを再現、その数日後にテレビで放送された同映画を再見した。


何度見ても、心に響く。
何人かのやり遂げられなかった夢やずっと澱のように溜まる後悔が出てくる。そしてそれを叶えてくれる夢の野球場。
バッターとして試合に出たかったルーキー、父と和解できなかった息子、自らの作品による影響力に疲れた作家。 そしてなにより、裁判では無罪になったのに永久追放という形で選手達から活躍の場を奪ってしまった「アメリカ野球界」。


ムーンライトグラハムの場面が好きだ。野球では夢叶わなかったが、第二のキャリアで納得のいく人生を歩んだ彼。ひとときの夢を叶えて、また元の姿に戻っていく。野球仲間達に讃えられながら。老年の彼との遭遇場面、若い彼の登場シーン、決然として老年に戻り為すべきことをしトウモロコシ畑へ向かう。上手く書かれた脚本だと思う。バート・ランカスターが素晴らしい演技。
キャッチボールによって心を通わせた息子、作家ももう一度書くことを決意しトウモロコシ畑へ入っていく。そしてシューレスジョーから夢の舞台を奪ってしまったアメリカ野球界は、とうとうホンモノの公式戦をトウモロコシ畑で行なった。実際にトウモロコシ畑から入場する両軍をみて、胸が熱くなった。


アメリカでの野球人気が落ちているための対抗策としてフィールド・オブ・ドリームス試合が企画されたとのこと。ならば今、不世出のスターが生まれつつあるのだから、デジタル処理で上手く組み合わせて短いフィルムにすることはできないかと夢想する。
夕暮れのなか緑の風が吹くフィールドに佇む大谷翔平選手。するとトウモロコシ畑の向こうから、人懐こい笑顔で「彼」がやってくる。よぅ、ベビーフェイス!あっちでも君の噂で持ちきりだぜ!なぁんて喋りながら。