anemone

ぼんやりしたり、うっかりしたり。

9か月

「椅子とめぐる20世紀のデザイン展」を見に高島屋まで行く。ん?高島屋カードを提示したら無料で見られるとのこと、そうなのかー。こうした椅子の展覧会は好物、あると行きたくなってしまう。まぁ名作椅子の展示となると大体同じような内容にはなるんだけれどもね。

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ガウディのデザインした椅子。手を置くところがビラっとひっくり返っているあたりが、らしいデザイン。

IKEA店内を想起したけれども、同じ時代のものを集めて「時代を象徴する部屋」としてひとまとめにして見せるやり方が面白かった。

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「バンビーノの秘密基地」と銘された子供部屋での主役椅子で名前は「ジョー」、てっきりシューレスジョーかと思ったら、ジョー・ディマジオのジョーだった。

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これはフランクロイドライトのデザイン。ピーコックチェアはイマイチと思ってしまうが、これはいいな。コレ好き。デザインがうるさすぎなくて愛嬌あってなにより座り心地が良さそうだ。

出口付近に実際に座れるコーナーがあって6種ほど椅子の座り心地が試せる。で、例によって私の体と椅子の規格が合ってないので、足がつかずにブラーンとしたりで本当のところの座り心地は掴めない。

昼を高島屋で食べ、母と兄たちの住む家へ行く。母の冬の道具類をしまったりのお手伝いを済ませ、退院して静養してる兄夫婦の顔を見に2階へ。ちょうどよかった、聞いておいて欲しい話があると兄が言う。癌が転移している、場所的に手術は無理、放射線照射も以前してしまっている場所なのでできない、抗がん剤での対処になる。主治医にはこうした状況の患者の平均余命は9か月なので身辺整理をしなさいと言われている。家や土地の権利書はこれ、贈与税絡みでなにか聞かれる場合があれば、こうこうこういった経緯であった事を言ってもらえたら良い等々、理系研究者らしい態度で説明していく兄。しばらくは訪問治療になるが最終的にはホスピスに行くことになるだろう、この一覧から大体候補を2箇所くらい決め、先に面接を受けておかないといけない、そこから入れてもらえるまで順番待ちがある。どうせ私はそこに行く時にはもうよくわからん状態になっているはずだから、あなた達が行きやすいところで決めてもらったら、そこに面接に行きます。余命宣告されている人からいろいろ説明を受ける我々。9か月。9か月って。