anemone

ぼんやりしたり、うっかりしたり。

そらのめぐりのめあて

久しぶりのあにきさんソロライブを見にJACKLIONまで出かける。~問われる横江2丁目の成せる業シリーズ~と銘打たれた3ステージ構成のLIVEだけれど、このタイトルはどういった意味なのかな?内輪受け的なタイトルつけるのは排他的なニオイがするので、私はあまり好きじゃない(個人の感想)。大人で、プロフェッショナルな夜だった。

最初はゆげみわこさん。落ち着いたスムーズな歌声がとても心地よい。感情をドカンと盛り込む歌い方や声質が「上手い」とされがちだけど、本当に歌上手い人ってこんな感じなんだろうな。すっすっと音程にのっていく輪郭がいい塩梅にぼやけた芯の太い声は、押し付けがましさがなくて、どこかきゅんとする寂寥感もあって、ずっと聞いてたいと思う歌声。

次は待ってました、あにきさん!こちらはどーんと全力でアタックしにくる歌声!強い、強すぎる、もう少しマイクの音量下げて!なんならマイク無しでもいい!あにきさんのフェイク最高!強弱高低自由自在な歌声に圧倒される快感。スマホ?を利用したリズムボックス君との共演場面もあって楽しい。リズムボックス君をどうして止めたものかとしばしスマホと見つめ合うあにきさん。

今回の一曲は、曲名わからず「瓦礫の中から拾った写真を」で始まる歌。途中でイマジンを挿入したドラマチックな構成。その前の「Peace」と相まって沁みる。そういえば、最初にあにきさんの「Peace」を聞いた時、歌の中の「テレビの中の戦争」は湾岸戦争だった。それが今はウクライナ侵攻。ラストの曲は大好きなWoodstock。谷町線に映る疲れた顔が、でも大丈夫なのさ!

 

トリは前田智洋さん。不勉強で始めて知ったギタリスト。これまた不勉強で初めて見た不思議な形をしたアコースティックギターで華麗に世界を描き出す。

最初の印象は、ごめんなさいメッチャ不純で、あらま男前やわー!こんな男前見たの東京で建物見学で訪れたレトロ消防署の消防士さん以来やわー。ギターの音の響きが聞いたことない、なんか天上の音楽ってこんな感じ?これって雲の切れ間から光の柱とともに降りてくるやつやん。いつものライブハウスが深い響きに満たされたとっても贅沢な空間になった。座り心地の良い椅子に深々と腰を下ろしてゆっくり聞きたい。や、それだとあんまり心地よくて寝てしまうかも。

三者三様で面白い夜だった。ゆげさんはこの丸椅子で、あにきさんは立って、前田さんはソファで聴きたい音楽だった。うーむ、この満足感が横江2丁目の成せる業、なのかな?