anemone

ぼんやりしたり、うっかりしたり。

ゲームさんぽで心を癒す

ソウルシリーズで世の中大谷選手一色。ホント食傷気味でテレビをダラダラ見るのも何だかなーといった気分になる。藤浪選手きっと今頃は課題克服のためにいろいろ取り組んではるんやろな、新しいフォームうまくフィットして欲しい、けど前のフォームの方が好きだったな、あぁでもやっぱりメジャーにいないと動向わからなくなってしまうよね、なんてことを考えまいとするがうっすら思ってしまう。この意気消沈モードから救ってくれたのが、Youtubeライブドアニュースのチャンネル「ゲームさんぽ」ゲームの世界をその道の専門家が巡り解説していく。これのファッション編と建築・景観編が面白かった!一つ一つの動画もしっかり長さがあって見応え十分。

ファッション編 全3回 概要欄にリンク有り


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このなかで語られる「ファッションは自己投資セルフプロデュースと考えるととても効率の良いもの」「洗練とは何か」「身に纏うものの好みを極めることは、自己の内面を見つめ直してより良き生き方の道を探ること」など、衣服に関して薄ぼんやり感じていたことを業界のトップランナーが的確な言葉で表現してくれるのが快感。「未来のサイバーパンクなファッション」の総体イメージはJ.P.ゴルチエが源流。あー、そうよなぁ、ゴルチエね!ハイハイ。

建築シリーズは取り上げられるゲームごとに分かれている。マインクラフト編、FF7R編、ダークソウル3編、崩壊3編、どれも面白い。

マインクラフト編。全3回、それぞれ概要欄にリンク有


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FF7R編 全3回


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ダークソウル3編 全2回


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崩壊3編 前後編


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凄いなぁ、その街の成り立ちまで散歩するだけで読み解いてしまう専門家たち。浄水場の位置関係から今後の都市の発展予想までしてしまう。自然への向き合い方の違いからくる西洋と日本の建築の成り立ちの違いとか、時間の積層として都市を捉えることであるとか、アイデンティティの投影としての都市とか、建築と架空のゲーム内の都市でありながら、いろんな構成要素をピックアップしながら専門家が明快に解説していくのがとにかく面白い。何度も見たい。

マインクラフト編No.3動画の最後、建築は他者(権威者)から出される設計などに対するダメ出しが機能する世界だと。そのダメ出しは自分自身の否定ではなく、まだ未熟な自分の否定であると捉えなければならない。そう考えることでダメ出しは糧となる。そうよねぇ。藤浪選手については、もちろん結果が即ちダメ出しなわけだけれど、克服すべき課題の提示であって、チャレンジする藤浪選手の存在自体を否定したり揶揄するのは、それはダメ出しではない。彼についてはなんでこんなに不愉快な物言いをするものが多いんだろう。

スプリングキャンプでの登板はもうないのかな。彼はシラキュースで開幕を迎えるの決定なので、あとはお試し選手の登板ばかりになるということですか?そうだとしたら悲しい。メジャーでなければ日本での報道はないだろうな。キャッチボールで動作解析のためのデータを取っていたとのこと。これからしばらくは精進の日々ですね。むくむくとイラストで応援の気持ちを表したくなったので描いた。とりあえず髭無し。藤浪選手、マウンドで輝け!

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とった写真を編集するアプリを購入、AIで人物をイラストのように変換する機能がついており、試しに藤浪選手のロッカー画像でやってみたら、あらまあ、上手いことイラストに、なんとなくディズニーのプリンス的に描きはる。おわー、自分で描かなくても、もうコレでいいんじゃない?こういうのの著作権肖像権どうなるんだろうな。カテゴリー「藤浪晋太郎」一覧表示もしくはスマホブログトップからの記事一覧表示に出てくるサムネイル画像がそれ。なんで本文から消したのにそこに表示されるのかは謎。

 

使い捨てないで

ベースボールって競技はルールの改正を真剣に考えた方がいいのではないか。ピッチクロックとか牽制の制限とか観客側スポンサー側の都合ではなく、投手を守るという観点から。特定のポジションの選手が精進すればするほど怪我のリスクが高まっていくなんて、それって早急に改善すべきポイントであるはず。私は野球のことを詳しく知らない人間であるが故、一層そう感じるのだろうか。投手が故障して手術して何年か棒にふってまたリハビリして復帰して、なんならまた故障して手術してって野球関係者はそういうのに慣れすぎ!それ異常だから!サッカーとかでゴールキーパーばかり同じ様な症状で故障していくなんてことがあったら、大騒ぎなんじゃない?各チームにTJ手術明けやリハビリ中の投手が何人もいる、千賀選手もコール選手も異常を感じて様子見、おかしいって絶対そんなの!それとか、将来を見据えて、肘にメスを入れる時点で何らかのハイテク代替素材による補強を施した投手が出てきたら、どういう扱いにするの?物理的ドーピング。今のままじゃ投手の成り手はどんどん減っていく様な気がする。

故障しない藤浪晋太郎投手は頑丈なのが取り柄、みたいに言われるが、そうじゃないと思う。常に自分の身体と相談してリスクを回避している結果だ。中継ぎというポジションに対して長くやり続けられるものではないと彼が考えるのももっともだ。今のルールでは投手のことを使い捨ての素材にしか扱えないもの。

面白いなと思った記事。エンタメ要素に振り切った新種サッカー。フィギュアスケートに以前はコンパルソリーと自由演技があったように、今のベースボールは言ったらコンパルソリー、ゲームエンタメ要素を高めた自由演技のような新ベースボールが生まれてきてもおかしくない時期に来ているのかもしれないな。コンパルソリーのままエンタメ要素を高めようとするので、投手ばかりに負担がかかっていると思うのよねー。

 

てなコトを悠長に書いていたら!今日のゲームに藤浪選手登板、0.0回22球0安打4四死球3失点の大荒れだったようで、うーーーん、大丈夫だろうか、これだけ酷いのはホンマに久しぶりなのでは。彼の身体に何らかの異常が生じたのではないことを祈るばかり。そして傷心が癒えることを願うばかり。

どうしても考えてしまうよね

なーんかヘンなの、チャーター機前の大谷夫婦いっしょに並んでの写真公開から、妻であろうと想像される女性、みたいな書き方で報道されたり、ドジャースの方からお名前公表されたり。意外に早くお披露目するんだなぁ、ならよけのこと先日の記者会見で中途半端な事しないできちっと紹介すべきだった。大谷選手の対応はちょっとズレてるし、大谷選手に妙に遠慮するマスコミも気持ち悪い。大谷選手の妻、という立場はもう無名の一般人ではない。真美子さんを大谷選手の付属物ではなく、社会的な側面を持つ自立した個人として扱える様にしないといけない。行き過ぎたプライバシーの詮索は慎むべきだが、過剰に忖度を押し付けてくる様なこの現状は気持ち悪い。てなコトを思いながら、奥様の選手時代の動画を見ていると、あら、歯列矯正してはるわ。大谷選手も矯正してはったし奥様もとなると、お子さんもきっと歯列矯正しないといけなくなるだろうなぁ。ウチもそうよ、子どもらの父親も私も歯列矯正し、息子ら二人とも小児矯正した。

いやいやいや、ちょっと待った、普通新婚夫婦に対してタブーである話題の筆頭が、子どもに関する言及ではありませんか。みんな思いっきり言うてますな、二人の子どもはさぞ凄いアスリートになるに違いない、子どもは10人は産んで欲しい、今からバスケのチームと契約させるんだ、いや野球のチームだ、云々。私も大谷選手の最初の秘密主義的対応に、レッドカーペットは「悪阻が酷いから」という理由で奥さん不参加だわなんて悪口言いました、ごめんなさい。(きっとBOSS提供のステキなドレスにコーセーのヘアメイクさんのお化粧で、素晴らしい美人さんとなってレッドカーペットに登場してくれることでしょう) 二人が子供が欲しいと思っているやらいないやら、そして子供が授かるやらどうやら、これはデリケートな話題であることは間違い無いので、ちょっと口を慎もう。

それにしても歯列矯正ですよ。晩のかりそめ天国でも話題になってたけれど、現代人だんだん顎が小さくなっていっており、歯がうまく並びきれない。これって身体が生態とマッチしなくなったってことだ。歯列矯正なんて強引と言うかムリヤリというか、長い時間かけてストレスかけてお金もかけて、ようやく「正しい見た目」にもっていく作業。これをしないといけない人の割合がどんどん増えていくってのは、次に向かう兆しかね?シオドア・スタージョン の「人間以上」?まぁ大谷夫婦見てたら、天が二物以上を与えた人たちのペアリングだと感じるし、そりゃ人類は次の段階にいきそうだーって思ってしまうわね。 … あ!いやいやいやいや、だーかーらー、そういうの新婚夫婦にはデリケートな話題だから慎むべきだってばー!

どうした、Suno

相変わらずSunoに毎日10曲ずつ制作してもらっているのだが、V2の無料バージョン、うまいこと作業してくれない。これって私だけのことなんだろうか。課金しているユーザー向けにV3がリリースされたことにも関係してるんではないか?なんて穿ちすぎた考え方をしてしまう。

2月の半ばに教えてもらい、14日16日に作ったのが前に日記に載せた曲たち。イントロがあるそれらしい曲をすんなり生成してくれた。時折イントロ長すぎて歌詞の途中までしか作らないってのもあったけれども。これは1番最初に作った歌。手術を控えた孫のために。すごく喜んで何度も繰り返し聞いているそう。イントロ長くて歌が途中で切れてしまったが、可愛くてとても気に入っている。

それからしばらくして、Suno君はイントロの無い曲ばかりを作るようになってしまった。いきなり歌い出してしまう。合成の悲しさ、第一声の発声もなんかヘンな音だったりする。歌詞のところで[intro]と指定してやってもイントロ作ったり作らなかったり。これは私だけの現象かなと思い、他の人の作品を聞いてみたが、ご丁寧に[intro guitar riff]とか指定してはってもイントロ無し。私だけではないんだな、こっちが一所懸命指示しても無駄なんよねー。そのうち今度は歌詞を無視してインスト曲にしてしまう現象が目立つようになってきた。一昨日からは時折5秒くらいの失敗生成を吐き出すようになった。昨日の10曲のうち、2個は失敗生成、2曲は歌詞無しのインストだった。歌詞通り歌ってくれたものでも、メロディがギクシャクした流れで、人が歌うには無理がある。えー、最初の頃の方が耳馴染みの良い曲作ってくれたよねー。AIって学習してどんどん精度上げてくんじゃ無いの?学習して頭が良くなった結果、妙に小刻みにアップダウン激しい不自然なメロディでないと満足できなくなってきたんかな?心地よくないよ!使う者の内実を反映してくるとしたら、私はどんだけヒネクレもんなんだ。とりあえず今夜も5回の運試し、トライを続けてみよう。

藤浪選手、2度目の登板は不本意な結果になってしまった。開幕ロースターに入れるかな、どうだろう。球団側は、金満オーナーのお金にあかせて作ったMets版ドライブラインのピッチラボで、藤浪選手を実験材料にどれだけ成果が上がるか試してみたくなるかもしれないな。ま、それも考えようによっては良いかもしれないけれど、長く飼い殺し状態にするのだけはやめてほしい!それにしても、個人的な好みとしては前の投球フォームの方が好き。今は、足上げて、かくっともう一度上げて、顔を3塁側に向けて、また正面向いて、ボールをグローブにポンとして、投げる。なんかボール放すまでやる事いっぱいやなー。どうかフォームが上手く馴染んでいい結果が付いてきますように!

1-2-3 inning

藤浪晋太郎選手オープン戦初登板、1イニング三者凡退でお見事。変化球多めの内容で、試したい事は確認できましたか?10球では足りなかったのでは? フォームも、ね、なんか足のタメが二段っぽくなってて少し変わってた。それに素人の印象ですが、上の方から投げ下ろす感じ?VAAの値にはあまり拘らないということでしょうか。ボディサイズもかなり大きくなっているような気がする。三者凡退のことを、1-2-3 inningって言うのか。覚えとこう。まー、でもやっぱり苦手やわー、リアルタイムで試合を追ってドキドキするの。

初登板でMetsファンの注目も集まっており、三者凡退ということで今のところはこの背の高い東洋人選手いいんでないかい?ってところか。Metsのビジュアル戦略としては藤浪選手をどうしたいのかは不明、チーム内のポジション的には下の方だからそんな事にはこだわってもらえないのか。かつてオークランドボルチモアで人懐こい笑顔を見せていた陽気な男は、もういない。てか左下誰だこれ。ヒドいな別人やん。目元はライトか日差しが眩しかったのかな、鼻は小鼻がはらない丸っこいトコがチャームポイントだと思っているのだけれど、無理やりフォトショかなんかで小鼻作った?

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元々野球のファンではなく、藤浪氏個人に対してキャーキャー言うてる身、どんな感じが好きかというと、この「教えてメジャーリーガー」での、つるっとして目がくりっとしてて少し寄る辺ない風情まであるこの感じが好物であります。

以前藤浪選手のキャッチフレーズとしてmelancholy pitcherってのを勝手に捻り出し、ラファエル前派と親和性が高いなんて思っていたのだけれど、メランコリックにしてもこの寄る辺ない感じってのがあるかないかで全く違ってくるな。

今や身体もかなりがっちりし、怪しい髭もあったりで寄る辺なさは無い。なのでラファエル前派では無くなってしまったなー。Metsでの彼はこれからどう変化していくのか、何派がぴったりくるのか、様子見だなー。

崇め奉ることなかれ

いやいやいやワタクシ、アンチ大谷ってわけではないですよ。現状の大谷選手に偏重した報道に辟易はするけれども、大谷選手の凄さ素晴らしさは重々承知しております。いつか彼はお札になると思っていますし。しかしながら、彼のやることなす事全てをありがたがって神格化、そして彼の意向通りにコトを進めなければダメって風潮になってないかね?と思うのであります。

まずは大谷翔平選手、ご結婚おめでとうございます。奥様とともに末永くお幸せに。キャンプ途中スポーツ担当記者に囲まれての質疑応答、Numberでのインタビュー。えっと後はうるさく詮索するなってコトでしょうか。それでいいのだろうかな?と疑問に思います。キチンと紹介してから、後はうるさく詮索しないでくれで良かったのでは。プライバシーに関することだからアンタッチャブルにするのが良い、というのが良識ある態度?羽生結弦さんの結婚離婚騒動からの影響もあるのかな。しかしね、日本文化圏の中での活動であった羽生結弦さんと、MLBを代表する選手になった大谷翔平選手では、立場が違うはずです。今後10年ドジャースの中心選手となった彼は、高額の報酬を得る者には当然見合う慈善を為すことを期待される社会に生きるわけですよ。その慈善の担い手は必然的に奥様になる。単身赴任で10年過ごすのでなければね。日本流に庇護の元で隠して守るのではなく、大谷選手には、アメリカでの奥様の公的立場の確立、自立した女性として活動できる様にサポートしてあげて欲しい。大谷選手奥様共々、アメリカで尊敬される人になって欲しいと願っています。

大谷グローブ問題に直面する教育現場の苦悩について書かれた記事。記事が指摘する問題点はずっと私が言ってきたこととほぼ同じ。この問題に対する私の提案する解決策は以前日記に書いた。  たったひとつの冴えたやりかた、かもね - anemone

学校現場がこういった状況になるのは話が出た時点で容易に想像できたし、保護者側にもそのくらいの想像力があって然るべきだ。グローブを売ってしまうのに抵抗があるなら、PTAに運用を任せてしまうのもテかもしらんと思う。学校という場に野球は上手くフィットしないのだから。全校児童触ってから,その後は希望者に一泊か二泊で貸し出す。家庭でキャッチボールなりして野球に親しむ。んでPTAに返して、次の順番の家庭に貸し出す。無くしたら時価で弁償。どうかな。

前にXで書いたのだけど、大谷グローブって、例えばエルメスあたりが「オシャレしようぜ!」って各小学校に3着ずつステキなジャケット送ってきたようなモンで、そら貰った方はどうすれはいいんだよーって途方に暮れるわね。(まだこっちの方がマシなのは、校内でジャケット着るのは禁止じゃないってこと)  もう少し大谷選手いやNew Balance社か、小学校にグローブ3つ贈ることに対して想像力を働かせて欲しかったなぁ。で、実際に困った状況に学校がなってることが事実として上がって来た今になってようやく上記のような記事が出てくることにもモヤモヤする。大谷選手がみんなにプレゼントしますよーというアナウンスがあった頃は、少しでも懸念や疑問を表明したらめっちゃバッシングされてたものなぁ。大谷選手の高邁な精神に対してなんて無礼なことを言うんだ的な。だから教育現場は堕落するんだ的な。じゃぁ代わりに現場に文句言う君がうまいことやってくれよー!小学校単位ではなく、都道府県もしくは市町村単位で少し数をまとめてくれた方が良かったよね。クラス全員がキャッチボールできるグローブ数で指導者付けてのキャラバン方式で回す、とかね。もっといいやり方があったはずなんだ。なんか勿体無くて残念な大谷グローブ。

 

コーティーとシロベーン

AIで曲を作るのにハマっている日記を書いたが、このはてなblogも日記のタイトルに困ったらAIがタイトルの案を出してくれるようになった。一度やってみようかしら。SFやらミステリでも奇妙な味系のものは惹かれるタイトルが多い。「秘めやかに甲虫は進む」「あるいは牡蠣でいっぱいの海」「夜の旅、その他の旅」「瓶詰めの女房」「鉢の底の果物」etc. この「たったひとつの冴えたやりかた」もずっとタイトルが気になっていて、いつか読もうと思っていた。先に大谷選手のグローブに関する日記のタイトルに使わせてもらったけど。

16才の女の子がマイ小型宇宙艇で未知の宇宙領域を冒険する過程で、脳に寄生した異星の生命体と友人になり、共に困難に立ち向かう話。1985年に書かれ、1987年に翻訳紹介された。

やっぱりねー、ちょっと古いのよねー。リンクを貼ったのは全3編のうち2編を削った改訳版なのだけれど、そっち読んだ方がよかったかな。16才の女の子っぽさを出すための言い回しや行動などに、古さというか当時の大人が当時の女の子を想像して書いた無理やり感があるというか。そもそも誕生日プレゼントが宇宙艇っていうセレブ家庭の16才女子が友だちとのお喋りで相手のことをあんたって呼ぶかね?おきゃんな女の子なので自分のことを「わたし」ではなく「あたし」っていうのは、まぁイイとしよ、でもあんたは無いんじゃない?

文体でキャラクターを表現するというワンアイディアでできているものの最高峰が「アルジャーノンに花束を」だ。あれは絶対最初の中編が良い。長編に引き延ばしたものは、そのワンアイデアの鋭さが薄まり全体を支えられていない。間を持たせるために他の要素を入れ込んでいるが、それが焦点がぼやけるもとになってしまっている。この「冴えたやりかた」では、主人公のざっくばらんな喋りかたと脳内のごく若い異星生命体の生真面目そうな喋り方の対比(どっちも喋るのに使用しているのは女の子の声帯なのだが)が良かったが、どうにも最後までこの「あんた」呼ばわりが引っかかってしまった。では何と呼べばよかったのか、元気な女の子らしさが表現できたのか。はたと思いつく。関西弁ではダメか。若い関西のお嬢さんが向かい合った相手を呼ぶ時に使う言葉があるじゃないか。「自分」! 目の前にいる他人のことを自分と呼ぶ。自分、イイ加減にしいや!とか、自分これからどうすんの?などと使う。これを当てはめるとこうなる。「ねえねえ、あんたの惑星はどんなとこ? 」→  「ねえねえ、自分の惑星、どんなとこ?」 字面だけ追うと訳わかんないかー。でも、一人の中に二人いる状況をも表すし関西でも若い人しか使わない言い回しだし、たったひとつの冴えた言いかただと思うんだけどなー。