anemone

ぼんやりしたり、うっかりしたり。

中之島の春を愛す

福田平八郎展を見に中之島美術館に行く。出展作の画像はこちらのレポにてどうぞ。

福田平八郎(ふって1字入力するだけで藤浪晋太郎って予測表示するの、どれだけ好きなんだ私、いやホンマに今彼のメンタル面すごい心配してますの。彼のチャレンジを貶めて楽しもうとするメディアや一般人が目立つので自衛のためにシレっとしてますが、この遠巻きでハラハラしてる感じ、辛いわー )の日本画、小さな印刷物でも卓越した構成力デザインセンスは味わえるが、きっと実物に対峙したとき、もっと別の何かが感じられるような予感がする。

共に開催中のモネ展には入場待ちのすごい列ができている。こんなに混雑ではモネの絵を見るのは困難ではないのかな。

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朝イチ少し待って開場、さくさくっと進み後半から気になっていた作品を先に鑑賞。あとでまた最初に戻りゆっくり見ていく。やはり対象を忠実に描き出すところから先に進んだ、抽象性を増した頃がとても素敵だ。

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 水面の輝きを切り取った「漣」はもちろん良いのだけれど、竹の屏風がとても良い!展覧会入り口の看板にもなっていたが、明快な色と構図、力強いけれども軽やかで、なんともスマート。

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これは小さな額装の方だけれど(絵葉書写した)、大きな屏風の方が圧倒的に良い!屏風というアイテムが本来持っている空間の支配力とでもいうようなものから、美的センスでもってその重力を軽くしているような感じ。素敵素敵。

もう一つ好きなのがこの鮎の絵。これはショップで買ったファイル。

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もう抽象表現と言っていい水底の石の上を軽やかに泳ぐ写実的な鮎。いいよねーー。センスの塊。モネの睡蓮はモノの重なりと奥行きとしての池(水中のハス、水面のハス、水面に映る木々)だったがこちらの鮎の絵の水底の石は奥行きを否定する。思えば漣も奥行きの否定だな。水面に当たる光を色でのみ抽出した。そこには深度はない。竹の屏風とこの鮎絵が今回の私のツートップだな。

そうだ、もう一つハートを鷲掴みしたのがこちら「冬日」これも絵葉書。

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正確にいうと寒さでぼってり膨らんでいる鳥さんの、枝にちょこんとつかまっているほっそい爪!

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そうそうそう、この「平八郎」という銘、昭和20年ごろ以降写実から軽やかになっていくあたりから、明朝体からもっと柔らかく変化していって、どんどん可愛らしい文字になっていく。どこかのフォントメーカーさん晩年の平八郎フォント作ってくださーい!あと、現代アメリカ絵画展てのに行かれたようで、マーク・ロスコの絵の模写ってのがあったけれど、それがすっごいぞんざいなのが笑えた!ぼんやりしたマーク・ロスコの絵をもっとぼんやり描く福田平八郎画伯…

先ほどのファイルと絵葉書を何枚か購入して出る。中之島もいい天気で散歩するのに気持ち良い。さすが平日とはいえゴールデンウイーク中、人はたくさん。陸橋でつながっているダイビルもレストランは開店前から人がたくさん並んでいる。豪華なダイビルエントランス周り。

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ぶらぶら歩いて梅田まで戻り、ハービスで牛タン食べて阪神で食パン買って帰る。よく歩いた。楽しゅうございました。