anemone

ぼんやりしたり、うっかりしたり。

オリンピックの顔と顔

冬季オリンピックが始まった。熱心に見るのは開会式。最初の、大人数で長い光る棒をゆっくり動かしてみせるパフォーマンス、素晴らしかったな。大きな会場に映える動きで見とれてしまった。そしてそして選手入場でのユニフォームチェックでもって私のオリンピック観戦はピーク。日本チームのユニフォーム、私は好き。エリ口からフードへとつながるラインが新しい。前は顔を深く覆い、後頭部との隙間がほとんどない形でカッコいいやないの。ただ、帽子の赤がくどいな、白にして欲しかったなー。カワイイ1番賞はメキシコ!もうあのガイコツ祭りの図案は反則よねー。頭に鳥の羽根飾りつけ綺麗な織物で腰を巻いた東チモール、被り物で言えばナイジェリアの、まるでナプキンをぐるぐるっと巻いたかのような緑のも可愛かった。クロアチアも渋い濃紺の上下に国旗の一部である赤白のチェッカー模様の帽子が効いてて素敵。専門家の評価が高かったカナダは私にはイマイチ。ぶくぶくを重ねてる上半身に比べて足元周りのボリュームが負けてて、なんかこう花道をダンダンいく綿入れの衣装を着た歌舞伎役者みたいだ。東京でも豪華な刺繍で話題になったカザフスタンは選手たちは普通な感じですな。サモアの彼は席に着いた時にはコートを着ててほしい。1番は英国チーム!オーセンティックで洒落てて!全員前をはだけて中の国旗模様のセーター見せて、帽子も国旗に合わせた色合いで、ステキステキ。

でまぁ競技の方はどうかというと、不本意な結果に終わる選手を見るのが辛くて、リアルタイムでは見られない。誰かがものすごくがっかりする場面を見たくない。でもって、不本意に終わった選手にまた追い討ちをかけるようなことを言う人もいるんだなぁ。

選手へのメイク批判 疑問の声 - Yahoo!ニュース

えー、何言ってんだか。お化粧したらイカンのか?こうこうこうだからお化粧してもいいんですよってくどくど説明しないとあかんのか?そらまぁ、いつだっけ?フローレンス・ジョイナーがバシッと化粧して長ーい爪でバトン持ってガシガシ走っているところ初めて見た時はビックリはしたけど、あれから何年たったと思っているんだ。まだそんなこと言うヒトがいるとは。お化粧したかったらしたらいいし、したく無かったらしなかったらいい。日焼け止めならいいのか?日焼け止めにも粉体入ってて肌色調節できるやつもあるぞ。アイメイクがダメなのか?マスカラでまつ毛伸ばしたらあかんの?透明マスカラってのもあるぞ。アイラインはダメなん?ナチュラルメイクならいいん?ナチュラルに見えるメイクってめっちゃ手間暇かかるんですけど?

思うに子どもの頃から知ってるので、女性になってくれるなと思うんでしょうね。もう立派な女性だよ!いつまでも純朴な存在でいてほしいという勝手な願望。

女性の場合化粧に顕著に現れるけど、男性の場合はどうだろう。そうそう、急に大谷翔平選手が、ユニフォームのボタンを少し開けてジャラッと金のネックレス付けだしたら?あるいはそのたくましい腕にタトゥーをモリモリ入れだしたら?どちらもメジャーリーガーでは珍しいことではないよね?田舎から出てきて純粋培養された礼儀正しい野球少年のイメージが台無し?夏のオリンピックでも、諸外国ではタトゥーを入れている選手は珍しい存在では無かった。コーチだって入れてたぞ。水泳選手も入れてて、この選手はオリンピックプールには入れても日本の市民プールには入れませんなーなんて思った。どうなんだろう、タトゥー入れてても日本代表選手に選ばれるんだろうか。成績が良かったら大丈夫なのかな。ここの模様はタトゥーじゃなくて生まれつきです!とかの証明書いったりして。

勝手にああだこうだ考えてるけど冬季オリンピックは始まったばかり。こんな時間だ、そろそろスポーツニュースでダイジェストでも見ましょうかね。

何度見ても感動してしまう、バンクーバーオリンピックでのk.d.ラング「ハレルヤ」。最高の一曲。

楽しくテレビが見たいのよ

年末年始はコロナ禍もあり、テレビばかり見てた。撮り溜めてる録画の整理もはかどった。テレビ番組について思っていることをあれこれと。

バラエティ番組をあまり見なくなった。以前「世界一受けたい授業」は毎回見ていたけれど、この頃は問題に対して必ず答えをボケる、あの茶番がどうにもこうにも耐えられない。そもそも、世界一に限らず、いろんなバラエティで質問に対してボケるアレ、要ります?てかその「質問」要ります?

お笑い系のバラエティは見ると不愉快になることがしばしばあったので、もともと敬遠している。立場の弱そうな芸人さんをいじめているとしか取れないようなシチュエーションでもって「これで笑え」と提示されてもなー。誰かを攻撃してそれを笑いに変える、という点ではやすしきよしの漫才も好きではなかったし。女性芸人に対する男性芸人のイジリ方も見ていて悲しくなる時もあった。話題のこの記事、そりゃぁやらされる方は辛いでしょう。見ているこちらも辛いのだから。

「“女のクソ仕事”が来ないようにしたい」『M-1』YouTube動画から異例のブレイク、Dr.ハインリッヒが語る“強烈”すぎた「トラウマ体験」 | 女芸人の今 | 文春オンライン

その点、やすよともこさんのMC番組は安心していられるので見る。「キメツケ!」や「いたって真剣です」ね。「いたって真剣です」にDr.ハインリッヒさん達に出てもらって話がきけないだろうかな。(「いたって真剣です」はお笑い芸人さん達が真剣に笑いについて話す番組)  やすともさんたちも若い頃はかなり体張った仕事多かったようだけども、大師匠の家系という要素があまりにも露骨な性的イジリから彼女達を守ったということはあったのではないかなと思うんだけれど、どうなんだろうか。

とりあえず、対象が男性であれ女性であれ、相手をいじめてそのリアクションで笑うっていうやり方は 見たくない。市井の人物を継続的に取り上げて不思議な行動を笑いのタネにするのも好きじゃない。そんなわけでだんだんとバラエティ番組を見なくなっていく。

番組を華やかにする要素以外にも女性をもっと上手く使って欲しいと思う。

テレビ番組に華を添える女性といえば、こないだ見た「タモリステーション」の天海祐希さん。「二刀流 」をキーワードに大谷翔平選手の活躍をまとめた番組に、ホントに華だけ添えてはった。なんか見ててカワイソになってしまった。なんでこの内容で私?って思ってはるやろな、とか勝手に心配した。感動部分担当ということなのか涙流してはったけど、このへんはさすが女優。この番組で天海祐希さんを起用する必然が全く感じられなかった。天海祐希の無駄遣い。

反対に、この人凄いなぁ!と感心したのが、昨年末放送された、ワースポXMLBスペシャル「全部見せます!激闘2021MLB」というNHKの番組での坂下千里子さん。大谷選手を中心に、MLBに在籍する日本人選手の2021年の活躍を総括する二時間番組で、彼女以外の出演者はワースポの司会&解説の山本さんと黒木さん、ゲストにレッドソックスの澤村選手だけ。坂下さん完璧アウェー。「大谷選手に夢中になった主婦代表」というポジショニングで話に参加するのだけれど、口の挟み具合のバランスが素晴らしかった。一歩下がったキャッキャ具合で、明るく番組を盛り立てる。そして、番組自体にも彼女を起用する必然のようなものを感じた。詳しくない彼女に説明する体でマニアックな情報を見ているコチラに聞かせてくれるのだ。また的確な「すごーい!」「カッコいい!」発言で、澤村投手の魅力をどんどん引き出していく。澤村投手のファンになってしまったよー。番組自体の構成としてちょっと残念だったのは、MLBのスーパープレイをもっともっと見たかったかな。地元高校生のインタビュー映像長いよ!

ついでにニワカ大谷ファンとして、年末にいくつかあった大谷特集番組の感想を。NHKスペシャル「メジャーリーガー大谷翔平」は二宮和也氏のナレーションが素晴らしかったな。少しのタメ、ささやくような声、からりとおおらかな口調、シーンに合わせての彼の語り口がぐっと内容を深いものにしていた。全体的に抑えたトーンのナレーションと無理やり盛り上がることを拒否するかの様なミニマルで荘厳なBGMが、画面に映る活躍と熱狂がどんなにとんでもない事だったのかを実感させた。この2021年の分と過去の同シリーズを再構成して倍のボリュームにしたものを年末に放送したが、その時のナレーションは別の人がやっており残念だった。

別のプログラムで全HR全三振をズラッと並べたのもあったが、んー、NHKの解説の人って打った瞬間「うーーーん、はーーー、すぅごいですねー……」みたいな沈んだ口調で、なんか盛り下がるのよねー。ここは現地アメリカの放送を使ったBS-TBSの同趣向の番組の方が見てて楽しかったな。「ヒャッハーー!」でも正直、前後の状況抜きでホームランばっかり三振ばっかり並べられてもね。飽きるし一つ一つ意義のようなものも違うだろうし。ここは時系列で活躍を見たかった。

2018年2019年と年末にNHKがやっていた「証言ドキュメント大谷翔平」というシリーズが好きだった。時系列で活躍を追い、その時々の関係者インタビューや現地報道などを絡めて、ご本人や取り巻く社会の変化を全体的に見せてくれるいい番組だった。今年こそ凄い番組になるぞと期待していたが無かった!「NHKスペシャル大谷翔平」の再構成番組の中でちょこっとトラウトのインタビュー使ったり、オオタニインパクトという二刀流がアメリカに与えた影響を中心に描いた別プログラムにしてしまった。がっかりー!オオタニインパクトも、デートしてお姉さんや高校生へのインタビュー、長い!そういう情緒的なのは要らんぞ、もっと客観的な、例えばアメリカでの野球不人気を示し、それがオオタニインパクトによってどれだけ変化したのかなどを見せてほしかったなー。

良かったのがテレビ東京の松坂革命X大谷革命。松坂選手の引退と大谷選手の覚醒とをうまく絡ませながら見せてくれた。ビジュアルもカッコよかった。アメリカでの取材内容もしっかりしてて良かったな。 ま、そんな感じですー

 

 

 

 

美術館展のアドニス 本屋のアドニス

GQの表紙を大谷翔平選手が飾るということで、netに画像が出ている。わぁ随分丸い顔ですね。シーズン中はあまり節制しない、オフに体を絞るってどこかで読んだが、とすると、早い時期に撮影を行なっていたのか。

この人まだ顔が定まっていない。27歳が少年とおじさんの分かれ目と思っている。丁度境目の彼は、時と場合によって随分と若く見えたり、反対におっちゃんに見えたりする。28、29になったら顔が定まって後はもうずっとおっちゃん。今回はぷくっとした幼い顔に写っている。ベビーフェイスに盛り上がった筋肉、ファッション素人から見たら不思議に思うコーディネートも相まって、なんかこう、単純に格好いいわーって言えない自分がいる。なんだろう、このモヤモヤ。

その雑誌の記事に、往年の名選手が大谷選手の肉体を見て「彼はアドニスだ」と言ったとあるそうな。アドニス!美の女神の愛人である美少年。筋肉を見て言うならヘラクレスなどの名前が出てもおかしくないところが、アドニスとは。

見たぞ最近、アドニス。土曜日に行ったメトロポリタン美術館展で。ティツィアーノの描くヴィーナスとアドニス。行かないでとアドニスに絡みつく裸体の美の女神。アドニスはヴィーナスの不安な予感通りこの後イノシシに突かれて命を落としてしまうのだ。小さな頭部と逞しさを感じる二の腕のアドニス。なるほどプロポーションは大谷選手と同じだ。

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ん?違うぞ、この絵じゃない。表紙の大谷選手から連想したのは、カラヴァッジョの楽師たちの絵だ。この展覧会のメインビジュアル。バンドマン達の絵だからマッチョな肉体ではないけれど、カラヴァッジョ独特の滑らかで湿気を感じさせる皮膚の下の筋肉。女性とも男性とも取れるふっくりした顔の少年は、軽く口を開けてこちらを物憂げに見ている。

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失礼を承知で言うと、スポーツニュースなどで見る大谷選手からセクシーさを感じたことがない。そういったものは多分、遊び慣れた風情やコミュニケーションにおける不遜とも言える余裕などからくるもので、野球道の求道者のような今の彼のあり様からは遠い。ならばなぜこの少し淫靡にもとれるカラバッジョの絵を連想したかと言うと、対象者に対するこちら側のヨコシマな視線の温度が同じくらいなのだろうと思う。こういうのが好きなんでしょう?と突きつけられてタジタジする居心地の悪さ。

山田五郎氏によるカラヴァッジョ講座にここいらのことが詳しい。動画のなかにこの奏楽者たちの絵も登場する。美少年センサー発動!ってのが笑えていいですよねー。

 

大谷選手は、野球の人気回復に尽力したい、との事。怪我さえなければ昨年以上の活躍をあげるでしょう、期待しています。

メトロポリタン美術館展は、評判に違わぬ充実した内容で見応えがあった。西洋美術の有名どころが万遍なく来た感じ。いやー、やっぱベラスケス上手いわー!私の1番はベラスケスの男の肖像。あと、ゴヤもマネもいい、男の子の肖像画を並べたコーナーが良かったなー。そこら辺は↓がきっちり書かれていてお借りする。

日本初公開の絵画も!メトロポリタン美術館のコレクションに見る500年の西洋絵画史 | [楽活]rakukatsu - 日々楽シイ生活ヲ

大阪展は明日まで、それから東京へ。見るべし!見るべし!大谷選手も野球以外の人生も豊かにしていただけたらと願うので、是非!

 

サンダーバード55/GOGO

サンダーバード55/GOGOを観にエキスポシティに行く。コロナ禍でも大した賑わい。成人式の晴れ着姿も沢山見かける。吹田市はどこで成人式してるんだろう。ガンバの立派なスタジアムかな。あそこまで晴れ着で慣れない草履履いていくのはタイヘンだぞー。

 

 

サンダーバードシリーズは、思い入れが深い。

自分が小さい頃から何度も見てきた。1時間枠の時も30分枠の時もあったな。子どもができた時にはビデオレンタルして率先して見せた。おもちゃや解説本も購入、おかげさまで兄弟共に立派なサンダーバードフリーク、ファイアーフラッシュ号緊急着陸場面をセリフ完コピ音楽付で再現する幼稚園児になりましたな。

日本の戦隊モノは一年周期で更新されてしまうので熱心なファンにはなれないけれど、サンダーバード沼は深い。大人になり次男はBlu-rayの全エピソード集購入。しかし次男が言うには画質が良くなると吊っている糸なども見えてしまい、イマイチ没入できない、ブラウン管テレビで見ていたことが、物語に熱中できた所以かも知れぬ、との事。なるほどねー。

今回は音源のみの発見から当時のままの撮影方法で作り上げたそうで、爆発時の火薬の量が多すぎなのも継承。バカーンドカーンと派手に爆破していく。音源ありきの話なので、内容を練ることができないため、脚本が弱いのが辛い。

もともとのシリーズ1時間枠の内容からしたら、三分の一位のナカミが3遍。まーでもよう当時の撮影方法で作れたもんやなー。前あったCGでの劇場新作はコレジャナイ感を強く思ったが、今回は全く違和感ナシ!過去見逃していたエピソードと言われても納得してしまうくらいの記憶との馴染みの良さ。で、そこで思ったのは次男の言葉。映画館ででかい画面でサンダーバードアゴーを聞くのはメチャクチャ気持ちいいのだけれど、1番楽しめるのは茶の間でブラウン管テレビで見ることだろうな。小さい画面の中でぎくぎく動くトレーシー一家、しょわーんと飛んでいく小さい1号、見ているこちら側の手にはもっと小さなおもちゃの1号。手本となるべき映像世界が、ミニチュアを凄いテクニックで動かして迫真のシーンを作っているのが受け手にわかるが故、画面を思い出して遊ぶ時、物語の登場人物に自分を投影すると同時にブレイマンや1号や2号やゴングなどを動かしている凄腕スタッフ達にも自らを投影させていたんだろう。だから沼は底なしに深かったのだろう。沼に沈み続ける少年たちのために、国際救助隊、出動だ!

ジャマーバンド 好きな10曲選

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選

 

1982年に和歌山市で結成、以来圧倒的なステージパフォーマンスでみんな大好き、ジャマーバンドの膨大なオリジナル群から私の好きな10曲を選んでみる。

バンドのキャッチコピーは「人生に愛と笑いと音楽を」

 

天国のラジオ

小米、こよね、ひな子が呼んでる
あの夜から始まる、天国のラジオ

 

ボーカリストが年を重ねると歌い方に変化が現れるのはよくあること。妙にタメたり発音をいじったり。枝雀も、私は喋り方のアクが強くなかった小米時代の落語の方が好きだった。かつて落語といえば上方落語で、お高くとまっているけれど面白くない江戸の落語より涙が出るくらい笑わせてくれる上方落語がテレビでもラジオでも席巻していた、私が中学生だった頃はね。

とにかくオシャレなメロディとコーラスワーク。で、歌われる歌詞が小米と吾妻ひな子。オシャレの対極。吾妻ひな子師匠知ってます?枝雀ですら知らない人がおおいだろうに吾妻ひな子って。座布団にペタリと座って三味線抱えて音曲漫談してたお姐さんですよ?

音のメリハリの気持ち良さ、シンプルな歌詞はノスタルジーに傾きすぎることなく心に響いてくる。何かがきっかけになって、無鉄砲で前のめりで希望と不安で胸をいっぱいにしていた「あの頃」を思い出す歌は沢山あるけれど、そのきっかけが桂枝雀が死んだというニュースであることがジャマーらしい。悩める小米をひな子が「こっちで喋りまひょ」って呼んだんやな。まだまだ「あの頃」の無鉄砲さや希望や不安をそのまま心の中に抱えたままのおじさま達だからこそ、「ショックやったけど、あんまり悲しなかったな、なんでやろ」と歌えるんだろう。


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万博

たくさんの田舎者たちは 甘栗とゆで卵を食べながら旅に出る
なーんなーん南海電車
OH!エキスポまた来る!大阪燃える!握手をしよう!

 

最近のライブの締めの一曲といったらコレ。真空パックされた高度経済成長へと続くあの時代の熱気をそのままライブの勢いに乗せ、ボルテージ爆上がりのナンバー。大阪万博の地元JACKLIONでやったら盛り上がり最高潮ですわー。


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ライハチ

僕はライトで8番さ  いつかはショートを守りたい
秋の風が吹いている    遠くでエースが投げている

 

今では放課後にいろんな学年の子が寄って野球して遊ぶことなどできないんだろう。遠くの外野でぽつねんとボールがくるのを待っている少年。内野のあたりではワァワァ試合が進んでいる。高い空、夕暮れが近い。優しくもの悲しいメロディがきゅっと胸を締め付ける一曲。

 

 

笑っていれたら

笑っていれたらええな   怒っているよりええな
いつもいつでも笑っていれたら

 

とても平易な言葉で語られる人生の至言。ミディアムテンポのキーボードイントロにヒロジさんのハスキーな声が乗って、この歌を単なる人生の応援歌ではなく、どこか内省的なものにしていく。静かな1番が終わってコーラスが加わる2番になると、曲の印象がガラッと変わる。keep on smiling! 食い気味に入る重層的なコーラスが、曲をゴスペルへと劇的に変化させる。苦しむものが救いを求める姿を全力で肯定する力強いエナジー!いつも、いつでも笑っていれたら!


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ウッドストック

谷町線の窓に映る 疲れた顔が
でも大丈夫なのさ!
頭の中に ジミ・ヘンドリックス ジャニス・ジョプリン
次々立ちあがる奴らがいるから

 

圧倒的な歌唱力の持ち主、あにきさんが歌い上げるウッドストック。あの夢の続きをまだ僕らの頭の中で見ている、そう歌うキャリア39年のバンドマン達。ラスト、囁くように歌う「ピースサインが波のようさ」がグッとくる。


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国道42号線

国道42号線  南へ走る
紀勢本線は左、右手は海
和歌山 和歌山   地道を南へね

 

和歌山生まれのバンドなので、和歌山愛に溢れた楽曲も多数。中華そば、知らんかった、海に行こう、丸正百貨店、などなど。最近ではこの曲がお気に入り。海沿いの道を軽快に自転車で走る、その爽快感が伝わってくる。そういえば、ペダルを漕ぐのにぴったりのリズムだな。

 

 

デイケアサービスセンターのワゴン

毎日忘れていく 大切なことから
毎日思い出せずに悔しがるんだ

 

ゆっくりと死んでいく社会のなか、諦めきれない心のうちを、動きが止まったような風景に同化させていく歌詞。決め決めのリズムで畳み掛けていくサビは、メロディーがキャッチーなため、より一層ヒリヒリと心を抉る。


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深呼吸

吐き出してmoonligt   吸い込んだsunshine
新しい酸素が欲しい   新しい勇気が欲しい

 

ジャマーの中ではあまり聞かれないナンバーかな、でも私は大好き。あからさまな応援歌ではないけれど、ぐっと背中を押してくれるような、そんな歌。頑張るゾッと声高に言ってるわけではないけれど、こうしてゆっくり深呼吸していたらまだ見ぬ明日にも立ち向かっていけそうな気がする。深呼吸にぴったりなゆったりしたナンバー、ドラムの柳生さんのコーラスがいい感じ。

 

 

言うた言わん

あのね僕はそんなこと言うてない!   全然言うてない
ゆーてないでぇー    ゆーてないでぇー

 

ジャマーバンドは基本小野田さんがメインボーカル、そして曲によってはヒロジさんがボーカルを取る、そしてごくごく稀にあにきさんという形だ。ボーカル二人、と言うことで、ツインボーカルでもって歌われる曲もある。ライブで必ず歌われる「素敵なリズム&ブルース」もそう。で、この曲はツインボーカル曲というよりは、掛け合い漫才が歌になったようなご陽気なナンバー。いやー、無敵やな、この人ら。


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All Right

いろいろいろいろ言うさ   いろいろいろいろ聞くさ
いろんな人がいるさ    All Right!

 

人生経験豊富なおじさま達だからこそのリアリティを持った歌詞が、ドラマチックな展開のアレンジとも相まって、圧倒的な多幸感でもって聞くものを包み込んでくれるスーパーな一曲。達観?破れかぶれ?いやいや、まぁ人生いろいろあるわな、いろんな人がおって、色々しんどいけど、僕はOK!君もOK!みんなOK!OK!OK!OK!

 


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コロナ禍でしばらく遠出のライブは自粛してたけれど、ようやくぼちぼち動き出そうか、というところ。11月13日京都モダンタイムス、東京は12月11日高円寺のJirokichiにてライブです。楽しいですよ!ぜひどうぞ!

フィールド・オブ・ドリームス


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MLBの公式戦でフィールド・オブ・ドリームスを再現、その数日後にテレビで放送された同映画を再見した。


何度見ても、心に響く。
何人かのやり遂げられなかった夢やずっと澱のように溜まる後悔が出てくる。そしてそれを叶えてくれる夢の野球場。
バッターとして試合に出たかったルーキー、父と和解できなかった息子、自らの作品による影響力に疲れた作家。 そしてなにより、裁判では無罪になったのに永久追放という形で選手達から活躍の場を奪ってしまった「アメリカ野球界」。


ムーンライトグラハムの場面が好きだ。野球では夢叶わなかったが、第二のキャリアで納得のいく人生を歩んだ彼。ひとときの夢を叶えて、また元の姿に戻っていく。野球仲間達に讃えられながら。老年の彼との遭遇場面、若い彼の登場シーン、決然として老年に戻り為すべきことをしトウモロコシ畑へ向かう。上手く書かれた脚本だと思う。バート・ランカスターが素晴らしい演技。
キャッチボールによって心を通わせた息子、作家ももう一度書くことを決意しトウモロコシ畑へ入っていく。そしてシューレスジョーから夢の舞台を奪ってしまったアメリカ野球界は、とうとうホンモノの公式戦をトウモロコシ畑で行なった。実際にトウモロコシ畑から入場する両軍をみて、胸が熱くなった。


アメリカでの野球人気が落ちているための対抗策としてフィールド・オブ・ドリームス試合が企画されたとのこと。ならば今、不世出のスターが生まれつつあるのだから、デジタル処理で上手く組み合わせて短いフィルムにすることはできないかと夢想する。
夕暮れのなか緑の風が吹くフィールドに佇む大谷翔平選手。するとトウモロコシ畑の向こうから、人懐こい笑顔で「彼」がやってくる。よぅ、ベビーフェイス!あっちでも君の噂で持ちきりだぜ!なぁんて喋りながら。

京都の1日

朝早めに家を出て、京都まで遊びに行く。新大阪まで出て、新快速で山科まで、そこから地下鉄。

まずは岡崎の近代美術館でやっている「バウハウスへの応答」展。本日は無料鑑賞日。う〜ん、まぁその無料だったからいいけど通常料金払ってたらちょっと不機嫌になってたかも。テキストやら昔の雑誌やら誰かのアルバム見せられてもなー。もう少し実物、バウハウスでの実習で制作した構造物やら平面作品やらを観たかったな。実物をたくさん目にしてからこそ、インドや日本でその種が多方面に向かって芽を吹くことが実感できるんじゃないかと。

課題制作で紙を使ったものがあったが、懐かしいなー。短い中学美術教師時代、三年生にこの飛び出す絵本と同じ要領で、切って折って立体デザインに挑戦してもらった。まずは二本切り込みを入れ、縦にずらせて折り目を入れてみる。そこから、切り込みの数を増やして折り目の位置をずらせてみる。切り込みの帯にまた切り込み入れて入れ子状にしてみる等々練習し、それからプランを練って本番へ。なかなか素晴らしいものが高打率で完成したと自負している。どうでしょう、中学三年生の最初のトライでこれは素晴らしくないですか?

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バウハウスそのものについてのか、それとも日本やインドで展開されたバウハウス精神の影響についてのものなのか、映像が上映されるということでしばらく待っていたが不調で見る事叶わず。ミュージアムショップを冷やかしていると長谷川潔の銅版画のレプリカを発見、購入してしまう。薄いけれどでっかい荷物でちょっと持ちにくし。いつかは手にいれたいと思っていたのでほくほくしつつ美術館を後にする。

 

岡崎からバスに乗って府庁前へ。カレーの話題店カリルで昼食を取ろうという魂胆。美味しいですよと次男が推薦してくれた店に行ってみると、おぉ、8人ほどの列が。待つよ待つ待つ。頑張る。だがしかし直射日光が暑い!今日も35度超えかしら。じりじりと炙られて汗がしたたる。日差しが堪らないので、先ほど購入した長谷川潔を葉っぱの傘よろしく頭に被ってなんとかしのぐ。まだかなーまだかなー、カレーなんだから回転早いかと思っていたが、なかなか順番来ない。後ろには留学生も並んでおり、皆で我慢大会のよう。ようやく次に中に入って待てる順番になった頃、後ろの留学生チーム離脱。え?今まで並んだのに!もうすぐってとこで諦めるの?トータルで待てる時間を決めておいて、それを超したら潔く諦める、という方式か。それも一つの考え方ではあるけれど、でもこのおばちゃん早い事食べるからすぐ順番来るよ?

ほどなく着席、ポークカレーを食す。お肉は柔らかく煮込まれ、トマトの酸味を感じる複雑だけどえぐみのない美味しいカレーでございました。ご飯固め、ちょっと多いかと思ったけれどなんのなんの、すっすと食べてご馳走さま。お嬢さんたち、ちまちま食べてんじゃねーよ、外でいっぱい待ってんだよと心の中でチコちゃんになって叫びながらお勘定。

 

またしてもバスで四条河原町まで。ここらの風情は変わらないなぁ。高島屋でお手洗いを借りて、ついでにくるっと冷やかす。やはり天井の高さと通路の幅が同じだと、昭和の頃からの印象がそのままだなぁ。足がそろそろ痛くなってきたので、河原町の交差点の方に出て、永楽屋にてかき氷。ちょうど、昼食とおやつの合間の時間で並ばずに座れてラッキー。苺みるく氷。ゆるいジャムのようなシロップが美味しい。ミルクは練乳ではない、もっとお上品な甘さ。氷の下に砕いた寒天が隠してあり、食感に変化が出るかと思ったが寒天はタピオカや白玉ほどには主張しない奥ゆかしさでありました。

 

お腹もいっぱいになり、長谷川潔はかさばるし、阪急とモノレールを乗り継いでおとなしく早めに帰る。