anemone

ぼんやりしたり、うっかりしたり。

楽しくテレビが見たいのよ

年末年始はコロナ禍もあり、テレビばかり見てた。撮り溜めてる録画の整理もはかどった。テレビ番組について思っていることをあれこれと。

バラエティ番組をあまり見なくなった。以前「世界一受けたい授業」は毎回見ていたけれど、この頃は問題に対して必ず答えをボケる、あの茶番がどうにもこうにも耐えられない。そもそも、世界一に限らず、いろんなバラエティで質問に対してボケるアレ、要ります?てかその「質問」要ります?

お笑い系のバラエティは見ると不愉快になることがしばしばあったので、もともと敬遠している。立場の弱そうな芸人さんをいじめているとしか取れないようなシチュエーションでもって「これで笑え」と提示されてもなー。誰かを攻撃してそれを笑いに変える、という点ではやすしきよしの漫才も好きではなかったし。女性芸人に対する男性芸人のイジリ方も見ていて悲しくなる時もあった。話題のこの記事、そりゃぁやらされる方は辛いでしょう。見ているこちらも辛いのだから。

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その点、やすよともこさんのMC番組は安心していられるので見る。「キメツケ!」や「いたって真剣です」ね。「いたって真剣です」にDr.ハインリッヒさん達に出てもらって話がきけないだろうかな。(「いたって真剣です」はお笑い芸人さん達が真剣に笑いについて話す番組)  やすともさんたちも若い頃はかなり体張った仕事多かったようだけども、大師匠の家系という要素があまりにも露骨な性的イジリから彼女達を守ったということはあったのではないかなと思うんだけれど、どうなんだろうか。

とりあえず、対象が男性であれ女性であれ、相手をいじめてそのリアクションで笑うっていうやり方は 見たくない。市井の人物を継続的に取り上げて不思議な行動を笑いのタネにするのも好きじゃない。そんなわけでだんだんとバラエティ番組を見なくなっていく。

番組を華やかにする要素以外にも女性をもっと上手く使って欲しいと思う。

テレビ番組に華を添える女性といえば、こないだ見た「タモリステーション」の天海祐希さん。「二刀流 」をキーワードに大谷翔平選手の活躍をまとめた番組に、ホントに華だけ添えてはった。なんか見ててカワイソになってしまった。なんでこの内容で私?って思ってはるやろな、とか勝手に心配した。感動部分担当ということなのか涙流してはったけど、このへんはさすが女優。この番組で天海祐希さんを起用する必然が全く感じられなかった。天海祐希の無駄遣い。

反対に、この人凄いなぁ!と感心したのが、昨年末放送された、ワースポXMLBスペシャル「全部見せます!激闘2021MLB」というNHKの番組での坂下千里子さん。大谷選手を中心に、MLBに在籍する日本人選手の2021年の活躍を総括する二時間番組で、彼女以外の出演者はワースポの司会&解説の山本さんと黒木さん、ゲストにレッドソックスの澤村選手だけ。坂下さん完璧アウェー。「大谷選手に夢中になった主婦代表」というポジショニングで話に参加するのだけれど、口の挟み具合のバランスが素晴らしかった。一歩下がったキャッキャ具合で、明るく番組を盛り立てる。そして、番組自体にも彼女を起用する必然のようなものを感じた。詳しくない彼女に説明する体でマニアックな情報を見ているコチラに聞かせてくれるのだ。また的確な「すごーい!」「カッコいい!」発言で、澤村投手の魅力をどんどん引き出していく。澤村投手のファンになってしまったよー。番組自体の構成としてちょっと残念だったのは、MLBのスーパープレイをもっともっと見たかったかな。地元高校生のインタビュー映像長いよ!

ついでにニワカ大谷ファンとして、年末にいくつかあった大谷特集番組の感想を。NHKスペシャル「メジャーリーガー大谷翔平」は二宮和也氏のナレーションが素晴らしかったな。少しのタメ、ささやくような声、からりとおおらかな口調、シーンに合わせての彼の語り口がぐっと内容を深いものにしていた。全体的に抑えたトーンのナレーションと無理やり盛り上がることを拒否するかの様なミニマルで荘厳なBGMが、画面に映る活躍と熱狂がどんなにとんでもない事だったのかを実感させた。この2021年の分と過去の同シリーズを再構成して倍のボリュームにしたものを年末に放送したが、その時のナレーションは別の人がやっており残念だった。

別のプログラムで全HR全三振をズラッと並べたのもあったが、んー、NHKの解説の人って打った瞬間「うーーーん、はーーー、すぅごいですねー……」みたいな沈んだ口調で、なんか盛り下がるのよねー。ここは現地アメリカの放送を使ったBS-TBSの同趣向の番組の方が見てて楽しかったな。「ヒャッハーー!」でも正直、前後の状況抜きでホームランばっかり三振ばっかり並べられてもね。飽きるし一つ一つ意義のようなものも違うだろうし。ここは時系列で活躍を見たかった。

2018年2019年と年末にNHKがやっていた「証言ドキュメント大谷翔平」というシリーズが好きだった。時系列で活躍を追い、その時々の関係者インタビューや現地報道などを絡めて、ご本人や取り巻く社会の変化を全体的に見せてくれるいい番組だった。今年こそ凄い番組になるぞと期待していたが無かった!「NHKスペシャル大谷翔平」の再構成番組の中でちょこっとトラウトのインタビュー使ったり、オオタニインパクトという二刀流がアメリカに与えた影響を中心に描いた別プログラムにしてしまった。がっかりー!オオタニインパクトも、デートしてお姉さんや高校生へのインタビュー、長い!そういう情緒的なのは要らんぞ、もっと客観的な、例えばアメリカでの野球不人気を示し、それがオオタニインパクトによってどれだけ変化したのかなどを見せてほしかったなー。

良かったのがテレビ東京の松坂革命X大谷革命。松坂選手の引退と大谷選手の覚醒とをうまく絡ませながら見せてくれた。ビジュアルもカッコよかった。アメリカでの取材内容もしっかりしてて良かったな。 ま、そんな感じですー