anemone

ぼんやりしたり、うっかりしたり。

美術館展のアドニス 本屋のアドニス

GQの表紙を大谷翔平選手が飾るということで、netに画像が出ている。わぁ随分丸い顔ですね。シーズン中はあまり節制しない、オフに体を絞るってどこかで読んだが、とすると、早い時期に撮影を行なっていたのか。

この人まだ顔が定まっていない。27歳が少年とおじさんの分かれ目と思っている。丁度境目の彼は、時と場合によって随分と若く見えたり、反対におっちゃんに見えたりする。28、29になったら顔が定まって後はもうずっとおっちゃん。今回はぷくっとした幼い顔に写っている。ベビーフェイスに盛り上がった筋肉、ファッション素人から見たら不思議に思うコーディネートも相まって、なんかこう、単純に格好いいわーって言えない自分がいる。なんだろう、このモヤモヤ。

その雑誌の記事に、往年の名選手が大谷選手の肉体を見て「彼はアドニスだ」と言ったとあるそうな。アドニス!美の女神の愛人である美少年。筋肉を見て言うならヘラクレスなどの名前が出てもおかしくないところが、アドニスとは。

見たぞ最近、アドニス。土曜日に行ったメトロポリタン美術館展で。ティツィアーノの描くヴィーナスとアドニス。行かないでとアドニスに絡みつく裸体の美の女神。アドニスはヴィーナスの不安な予感通りこの後イノシシに突かれて命を落としてしまうのだ。小さな頭部と逞しさを感じる二の腕のアドニス。なるほどプロポーションは大谷選手と同じだ。

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ん?違うぞ、この絵じゃない。表紙の大谷選手から連想したのは、カラヴァッジョの楽師たちの絵だ。この展覧会のメインビジュアル。バンドマン達の絵だからマッチョな肉体ではないけれど、カラヴァッジョ独特の滑らかで湿気を感じさせる皮膚の下の筋肉。女性とも男性とも取れるふっくりした顔の少年は、軽く口を開けてこちらを物憂げに見ている。

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失礼を承知で言うと、スポーツニュースなどで見る大谷選手からセクシーさを感じたことがない。そういったものは多分、遊び慣れた風情やコミュニケーションにおける不遜とも言える余裕などからくるもので、野球道の求道者のような今の彼のあり様からは遠い。ならばなぜこの少し淫靡にもとれるカラバッジョの絵を連想したかと言うと、対象者に対するこちら側のヨコシマな視線の温度が同じくらいなのだろうと思う。こういうのが好きなんでしょう?と突きつけられてタジタジする居心地の悪さ。

山田五郎氏によるカラヴァッジョ講座にここいらのことが詳しい。動画のなかにこの奏楽者たちの絵も登場する。美少年センサー発動!ってのが笑えていいですよねー。

 

大谷選手は、野球の人気回復に尽力したい、との事。怪我さえなければ昨年以上の活躍をあげるでしょう、期待しています。

メトロポリタン美術館展は、評判に違わぬ充実した内容で見応えがあった。西洋美術の有名どころが万遍なく来た感じ。いやー、やっぱベラスケス上手いわー!私の1番はベラスケスの男の肖像。あと、ゴヤもマネもいい、男の子の肖像画を並べたコーナーが良かったなー。そこら辺は↓がきっちり書かれていてお借りする。

日本初公開の絵画も!メトロポリタン美術館のコレクションに見る500年の西洋絵画史 | [楽活]rakukatsu - 日々楽シイ生活ヲ

大阪展は明日まで、それから東京へ。見るべし!見るべし!大谷選手も野球以外の人生も豊かにしていただけたらと願うので、是非!

メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年|2022年2月9日(水)〜 5月30日(月)国立新美術館