anemone

ぼんやりしたり、うっかりしたり。

虎のいる映画館

いずれ大谷翔平選手はお札になると思っている。何十年先になるかはわからないけれど。その頃にお札というものがあるかどうかもわからないけれど。そんな「偉大な選手」だと思っている。思っているけれど、今回の契約には全く賛同できない。いい大人がこんな契約を結ぶなんて信じられない。小学生がよく言うやつだ。だってルールにダメって書いてないじゃーん。ライオンを映画館に連れていくのは禁止って条例にある、ならライオンじゃなくて虎を連れていくことにするよ。虎はダメって書いてないから。

例えば後払いの割合が50%ならば、前例もあるしなにも違和感なかったろう。60%が後払いなら大谷選手はチームに尽くす自己犠牲の精神が素晴らしい、となったろう。しかし97%が後払いって。度を越している。浮いた金で球団はさらなる補強に向かうだろう。MLBがチームの戦力を拮抗させるためにしてきた努力を、金の力で粉砕することに他ならない。横紙破りな方法で生み出した金で有力選手をかき集めさせて、で、そんなチームで勝ちたいんだ。そうか、それが大谷選手のやりたい事だったのか。自分の稼ぐ金だから、どんなに目減りして損したって構わないから自分の好きな様に使う。ごもっともでございます。ご自分の所属チームさえ勝てれば良いんですね。お金でリングが買えるかもしれない唯一のチャンスですもんね。

この契約は美談でなんかあるもんか。虎のいる映画館には誰も足を運ばない。