一泊二日で母のリクエストによる東京旅行。山の上ホテルへ泊まりに行く。小さい頃あそこに泊まった、窓から靖国神社が見えた、いまでも見られるかしら靖国神社。いやー、建物いっぱい建ってるから見えないと思うなぁ。予約を取ってからしばらくして、山の上ホテルが来年の2月に休館し再開は未定との報道が流れる。いいタイミングだった、来年行きたくなっても泊まれないところだったねぇ。
山の上ホテルに行く前に、靖国神社へ詣でる。母の父親は、日中戦争に出征し僅か数ヶ月後に戦死した。儚い命。鳥居の辺りから周りを見渡すとビルビルビル。これはなんぼホテルが山の上でも見えないね。
ホテルに着きチェックイン、じつに80年ぶりの再訪。予約はごく普通の洋室ツインを取っていたのだが、庭付きのスイートルームにアップグレードしてくれた。おぉ!ありがとうございます!ワクワクしつつ部屋へ。でっかい鍵が素敵だ。
お部屋は玄関の間、ソファとデスクとテレビの間、ベットルーム。あとバスルームとお庭。
華美ではないが、ゆったりとしてとても落ち着くお部屋。
バスルームは大理石張り、ボーダーの飾りタイルが可愛い。
ただ一つの難点は、TOTOでもLIXILでもない、ビデとお揃いの美しい便器には、温水洗浄便座が取り付けられていないことか。これは仕方のないことだろう。お尻をあったかくする為だけにこの美しい造作を壊してしまうに忍びない。どう?懐かしい?どこか覚えているのと同じ飾りとかある?いや、まったくない。こんなんじゃなかったもの。
子どもの頃泊まった時は、この建物が出来て間がない「佐藤新興生活館」の頃、その時は豪華な設えはなく、がらんとした研修施設だった、との事。そうか、だから外観が質実剛健で、「ヴォーリズが作ったアールデコ様式のホテル」からイメージする華美さが全くないんだな。初めからホテルとして計画されていたら、大丸心斎橋店みたいなゴージャスなものを建てたことだろう。銃後を守り抜く為に生活を改善していくことを目指した女性向け研修所。こうした根底にどこか禁欲的なものがあるからこそ、文士達に愛されたのかもしれないな。
翌日はこれまた母リクエストでスカイツリーへ。戦時中から一挙に現代へ。
窓に広がる東京の街。でっかい都市だなぁ。ゴジラ−1.0にもシンゴジラにも破壊されていない街。ゴジラのそのそ歩いてきてトゲでも足の裏に刺さったら、このスカイツリー持って体支えて足の裏見て頂戴。
新幹線の時間までまだあったので、昼食後は泉岳寺までご先祖のお墓参り。現代から戦中飛び越えて一挙に江戸時代まで遡る。時代を目まぐるしく行き来する旅でした。行きたいところに皆いけて母満足、お疲れ様。