anemone

ぼんやりしたり、うっかりしたり。

3分の1を2つ

三部作として刊行されているSFを2冊読む。

 

われらはレギオン1 AI探査機集合体 (ハヤカワ文庫SF)

われらはレギオン1 AI探査機集合体 (ハヤカワ文庫SF)

 

この本を読んでいる頃、スピルバーグの「レディプレイヤー1」を観た。いろんなキャラクターがアバターとして出てくるのだが、ちょっとちょっとスピルバーグさん、こっちのレギオンのシリーズを映画化した方が良かったのにー、と思ったな。
デジタルデータとなったボブは増殖し、それぞれが勝手に気に入っているキャラクターの姿形を流用し、自分に心地よいように身体や執務室を作り上げる。レディプレイヤー1の後だと、ちょっとインパクトは減ってしまうかなー。

ボブはSFオタクという設定で、ま、そんなにオタクではなかった私にも理解ができるSFネタをちりばめながら、軽い語り口で宇宙の冒険譚は綴られる。とんでもない状況を四苦八苦しながら打開していき、自己の能力を飛躍的に拡張しながら前進していく前半部はとっても楽しめた。どんどん増殖していき、活動の場が広がってからは、なんかこうワクワクが薄まってしまったような。までも、読みながら映像が頭に広がる面白い本だった。3Dプリンターが大活躍で、ロボットがロボットを生産する工場をいく先々で建てていくわけだが、そこでJ・P・ホーガンの「造物主の掟」みたいなことがおこらないかなー。後2冊あるのか。あ、もう2冊目出てるのかー。

 

 

 

「我らはレギオン」もそうだが、この「7人のイヴ」もエクソダスもの。レギオンに比べるとタイムリミットはかなり迫っているし、時代も現在からそう遠くない未来なので、夢のような新しいテクノロジーもない。なんとか限られた人数でも生き延びさせるために、全地球的に協力してスペースコロニーを作り上げなければならないと奔走する科学者たちの話。主にコロニーの核となる宇宙ステーションでの話。
今ひとつ乗り切れなかった点。後数年ののち人類は滅びるとわかっていても、文明社会は維持できるのだろうか。仕事なんかせんとノンビリするわーってならないのかな。たとえば、人類最後の日々、あなたは何をしますか?って質問に、いつものテレビ見てアイスでも食べて笑ってますわー、と答えたとして、スーパーマーケットの人も、テレビ局の人も電力会社の人も、アイス工場の人も、家族や大事な人と好きなことしてたいだろう。そんな時に仕事場にいて仕事してくれるのだろうか。水道局の人は仕事してくれるのかな?し尿処理施設の人は?病院で当直するお医者さんはいるのかな?てなことが気になって仕方ない。
ようやく移住者候補がきまり、スペースコロニーの受け入れ体勢が整ってきたところで第1部は終了。あんまり手に汗握るような展開はなし、話にリアリティを与えるためか、技術的科学的な話を散りばめてあるため、どうにも頭に映像がうかばない。2冊目どうしたものかなー。こちらも極小ロボットが活躍しそうな気配、極小ロボットが意外な展開を引き起こしてくれたらいいなぁ。