anemone

ぼんやりしたり、うっかりしたり。

C はチャールズの C

中途まで読んで放ったらかしていた「幼年期の終わり」を読んだ。アーサー・C・クラーク。ちなみに、ジョン・F・ケネディのFはフィッツジェラルドのF。

そもそもなんで「幼年期の終わり」に辿り着いたかというと、まずテッド・チャンの「あなたの人生の物語」を読んだから。

異星人とコミュニケーションを図る科学者が、そのコミュニケーション手段を自らのうちに取り込むことで、自分と未来の家族の行く末を、時間を編み込んで出来上がった一つの完成したタペストリーのように理解してしまうというストーリー。「あなたの人生の物語」は短編集で、この表題作は少々センチメンタルなこともあり心に残ったけれど、総体に読み難い!スラスラと読み進めないのは、多分私の知力が足りてないのだろう。でまぁ、本半ばにしてちょとお休み、Kindle買った当初に面白がっていくつかダウンロードしたなかの、そういやファーストコンタクトもので言うたらアレもまだ最後まで読んでなかったなぁ、という事で、幼年期の終わり

1952年刊行だから、70年前かぁ。随分昔に作られた話って書こうとしたけど、え、待てよ、アーサー・C・クラークと言えば2001年宇宙の旅、この映画を10歳のワタクシは祖母に連れられて兄と新作ロードショーで観た。わはは、全くわからんかった、私も兄も祖母も!3人ポカンとしながら映画館を出たよ。巷でスッゴく話題になってたんだろうなぁ、映画。そんなに良いならと観に連れてってくれたんだろうけれど。ミクロの決死圏は十分楽しめたんだけど、2001年は手強かった。小さい頃からミステリマガジンSFマガジンを毎月本屋さんに届けてもらってた贅沢な子どもだったんだけれど(ええしの子)そこに載ってた石上三登志氏の評論読んで、ようやくちょこっと理解できたなー。そんな出会いもあってアーサーCクラークは苦手意識もあり、名作と言われるこの「幼年期の終わり」も読んでなかった。何よりSFに関しては当時は日本作家達、小松左京筒井康隆眉村卓、もちろん先鞭をつけたのは星新一氏だけれども、そこいらがどーーーんと世にでてきた時代だったので、そちらに魅了されていた。海外モノは異色作家短編集を揃え、ミステリとの二刀流のアシモフフレデリックブラウンやブラドベリがお気に入り、今でもミステリ風味のSFが好き。フェイバリット1は「星を継ぐもの」だな。

幼年期の終わり」んー、養殖場の管理人?うまいことツバスがハマチになって、そっからブリになるように水質を整えてやる感じ?でブリになったやつだけ出荷されて養殖場はもう閉鎖ってか。オーバーロードが戦争を禁じ文明を発展させ、世界を平和に導いていくのだけれど、その描かれた「エエ感じの世界」がヌルいなぁと21世紀に生きるワタクシには思えてしまう。人口の爆発はどうなってんの?みんながそんなアメリカン郊外生活みたいにゆったり暮らせんの?とか、情報がくまなく地球をカバーすることでお互いに配慮が生まれるって、現在のnetでのフェイクニュースの応酬や金になる揶揄の泥沼(藤浪選手チャレンジ応援してますが、ホンマに辛くなったら休んでエエんよ、心身大事にしてください)見てたら、もうハマチは全滅寸前よ。宗教のくだりも、教祖や高僧が奇跡を起こすことで信者を獲得してきた宗教は、過去を覗き見できる箱で権威を失墜させるかもわからんが、東洋の宗教はどうなんよ。なぁんてアレコレ引っかかって、そんなに楽しめなかった一冊でありました。次のSFはやっぱりミステリ風味のがいいなぁということで、狙っているのはコレ。ちょっと待って、これも異星人とのコミュニケーションからくる物語だな。むむ。

こっちも気になるんだけど、私の根気が続くかどうか。インカ帝国がスペインを征服する話!