anemone

ぼんやりしたり、うっかりしたり。

Number編集部への手紙

Number誌編集部にお手紙を出す。良かった記事については、読んで感銘を受けたと感想を伝えたい。見識を疑う記事については、これちょっとどーなん?と疑問を呈したい。縦書きの便箋を買ってきてモソモソと文を綴る。字が下手なのは容赦してもらって、なるべく読みやすいように気を遣って書いた。読んだ編集部の方の心に、少しでも引っ掛かってくれたらと思う。

f:id:cocoanuts:20240811153223j:image

前略 8月29日号を購入し、興味深く読ませていただきました。私は藤浪晋太郎選手を応援しております。今回の彼に関する記事は大変読み応えがございました。甲子園の高校野球を語る上で省くことのできない存在の彼に、アメリカまで取材に行かれインタビューしてくださった事がまず嬉しい。写真も美しく、ファイルしてずっと残しておきたい記事となりました。

マイナー所属でありながら、くさらず黙々とトレーニングしている現在の彼の様子に胸を打たれました。逆境とも言える今の状況でも前向きにおれるのは、高校時代に大阪桐蔭高校で培った野球に取り組む姿勢が今も彼の中に生き続け拠り所となっているからだと、記事を通じてよく理解できました。また、阪神での様々な出来事も「経験と思えばマイナスではない」と表現され、阪神でなければ味わわずにすんだであろう辛い思い、それらを乗り越える時も大阪桐蔭での教えが彼を助けてきたのだと感じました。

オリンピックで可視化された選手への誹謗中傷問題、解決の第一歩は、メディアが恣意的な記事で選手を揶揄するきっかけを作らない事だと思います。藤浪選手はこれまで悪意ある情報操作や極端にネガティブな憶測に基づいた記事などで大変苦しめられました。それは現在でも同様で、8月8日の文春オンラインの記事では、コンテンダーに望まれてトレードされ優勝に貢献、実績をかわれてメッツと今季契約、この彼の経歴を「チームと転々としていた」とうらぶれた様子にとれるように恣意的に紹介されました。また、8月9日のNumber Webの記事では、最新写真の説明文に「さみしい…」とありました。アメリカ取材で彼はさみしいと発言していたのでしょうか。そして日本に戻りたいと発言していましたか?記事において、彼の意向関係なく日本の球団は取らないだろうなどと書くのは敬意を欠いています。また今季フォームの変更に取り組み肩を痛め、治療リハビリを経て復調してきた経緯を武田解説員はご存知ないのでしょうか。ナンバー誌記事内容をも信じられないものにしかなねない、安易な釣り文句・釣り見出し、解説になっていない記事です。藤浪選手の印象を悪く操作する意図が透けて見えるこのような記事をNumberの名の下に出すのは、日本スポーツジャーナリズム最高峰との矜持を、自ら毀損するものと考えます。

今回のインタビュー記事で、彼の現在と今を支え続ける精神を知る事ができました。これからも、取材対象の選手に誠実に向き合った素晴らしい記事が読めることを期待しております。   かしこ