anemone

ぼんやりしたり、うっかりしたり。

スポーツに失敗なし

Number誌を買ってきて藤浪晋太郎選手の記事を読む。わー、6ページだ、写真もたくさんで嬉しいなぁ。落ち着いたいい顔。ボードウォーク、これは湖の岸かしら。今号は高校野球の強豪校の特集、常勝軍団はいかにして作り上げられるのか。大阪桐蔭の監督さんが、ご本人と指導を受けた生徒側からのインタビューでフューチャーされている。藤浪選手の言及「西谷監督の話術は革命の指導者と同じ」が、藤浪選手の聡明さを表しているな。物事をもう一段上、俯瞰で見ることができる人。そして思慮深く、阪神で「背負わされてきた」十字架の重さを語る時も、すべてが経験と思えばマイナスではないとして他の球団ならば味わうことのなかっただろう苦汁を昇華して言葉を選ぶ。経験と思えばマイナスではない、ということは、普通に考えてたら物凄く精神的肉体的に痛めつけられたってことだものね。なかなかこんなふうに言われへんよ、苦労したんやね。その分アメリカでのびのび野球に取り組んで欲しい、ホンマに。さて大阪桐蔭の西谷監督は名将と称される有名監督で、彼の指導を受けたいと全国から有望選手が集まってくる。その指導は素晴らしいものという評価は定まっているものと思っていたが、そうは思わない指導者もいてはったな。

昨シーズンの春先、オークランドで藤浪選手が苦闘していた頃、指導者の指導者をされている人のyoutubeで、このような動画があがった。華々しい活躍の大谷選手に対して、メジャーでうまくいかない藤浪選手は高校時代の指導に違いがあった、という内容。大谷選手は世界を見据えることを初めから意識する教えを受けた、大阪桐蔭で藤浪選手は目先の勝利に重点を置いて毎日を過ごしていた。つまりは西谷監督の指導が藤浪選手がメジャーで活躍できない元になっているというお考えですわね?

それはこの指導者の指導者さんのお高説だから、はぁそうですかとしか言えないが、そのご自分の意見を開陳するのに、素晴らしい大谷選手と比べて藤浪選手はこうだったから今ダメなんだという藤浪選手を下に見るような物言いは、それこそ指導者としてどうなんですかね。動画制作時期は日本全国に藤浪は叩いて良い馬鹿にしてOKという空気が蔓延していたので、それに毒されましたか?悔しくて情けなくて、シーズン終わって思わず長文でコメントを書いた。以下引用

藤浪選手がメジャーに挑戦したこの一年、ずっと応援しておりました。私は結果が出ずもがきながらも頑張り続ける藤浪選手の不屈の精神に感動しました。この「比較動画」は藤浪選手に対して失礼な内容だと感じました。藤浪選手は努力を続け、コンテンダーのチームに請われて移籍し日本人最速の球速を記録しました。大谷選手のように幼少の時からの夢に突き進み成就できる人は稀、人生の節目節目で思い悩みそれまでと違う夢を追いかけることは間違ったことではないと思います。選手それぞれが個々にあったやり方で自己を研鑽すれば良いし、個々にあった研鑽の仕方を見極めてあげるのが良き指導者と称される人であって欲しいです。個人と個人の比較によって良い悪いを説いていただきたくなかった。そしてMLBのMVPを複数回獲得しようかという100年に一度の選手である大谷選手と比較するのは、藤浪選手だけでなくどんな選手であっても酷というものでしょう。

これに対し、育成時代の話をしている、今年最速球速が出たから藤浪を悪くいうなというのはおかしいとのお返事。それに対してのワタクシのコメントがこちら

お返事ありがとうございます。 努力を尊ぶのが良き指導者であると信じています。育成時代の違いが話の主旨とは言え、今の成績等を絡めてお話になっている訳ですから、動画撮影当時藤浪選手がうまくいかない状況であっても、継続して努力している事実に対して、もっと敬意を持って動画では発言していただきたかった。これは後に最速球速が出た出ないに関わらずの話です。

誰かを際立たせるために、叩いても良いと考える人間を引き合いに出してダメと言う。こういう手法は指導方法としては褒められたものではない。向上へと努力を続けているなら、うまくいかなかったとしてもそれは失敗ではない。と信じたい。

このNumber誌は、常勝チームを作るという観点で監督と生徒から話を聞き、その秘訣や精神を探っていくものだった。私はもう一つ別の方向、保護者としてどんなチームに息子を預けたいかを考えた時、生徒の特性を見極め、進路まで思いを馳せてくれる西谷監督のような方が指導してくれるチームに預けたい。あの選手みたいに活躍できないこいつは、過去こうだったからダメと論じる指導者には預けたくないと思う。ま、うちの息子らは二人とも手芸部だったがな!(小学校で。うまいのよ、フェルトで可愛いマスコット作ったりね)