とても平易な言葉で語られる人生の至言。ミディアムテンポのキーボードイントロにヒロジさんのハスキーな声が乗って、この歌を単なる人生の応援歌ではなく、どこか内省的なものにしていく。静かな1番が終わってコーラスが加わる2番になると、曲の印象がガラッと変わる。keep on smiling! 食い気味に入る重層的なコーラスが、曲をゴスペルへと劇的に変化させる。苦しむものが救いを求める姿を全力で肯定する力強いエナジー!いつも、いつでも笑っていれたら!
新海誠作品は「秒速5センチメートル」の3話目のみ、見たことがある。もちろん山崎まさよしファンだもの。ファンクラブ会員だもの。「one more time ,one more chance」のPVだ、と言われるのもわかる。だって歌の内容そのままだもの。それだけ「one more」の曲が持つ力が強いということだろう。この曲は「月とキャベツ」「秒速5センチメートル」と、2本も映画を作ってしまった。「月とキャベツ」についても、同じく「one more」の長いPVだという批判があったことを思い出す。
海外でもカルトな人気を誇る「秒速5センチメートル」、「one more time ,one more chance」の人気も高い。特にスペイン語でのカバーがyoutubeにたくさんある。山崎氏の歌唱はスローな楽曲でもビートを感じるし、揺らぐビートが曲に洋楽的アレンジを施しやすい隙間を作ってくれる。 「君の名は。」は秒速よりももっと世界で人気を博するだろう。いろんな国の人が主題歌や挿入歌をカバーしたりするのだろうか。その時は、ハンガリーの人がROCKではない昭和の歌謡曲をキッチリ作って見せたように、あの隙間のないべたーっとした歌をその通りに表現したりするのかな。いろんな国の人がカラオケで日本の歌を歌って競うテレビ番組、あれも最初はべたーっとした日本の歌をROCKに歌ってみせるのが興味深くて好きだったのに、回を重ねるごとにべたーっとした歌をべたーっとしたそのまま歌う人の方が高得点になって、つまらなくなった。早く世界で公開して注目されて、いろんな国の人に歌ってもらいたいものだ。