anemone

ぼんやりしたり、うっかりしたり。

EAST meets WEST

東京旅行。文化庁メディア芸術祭が無くなってしまったので行くきっかけが無くなってしまい、またインバウンド増加の影響でホテル代がバカ高くなってしまったため、昨年は母の荷物持ちで行ったのみ。ま、それはそれで以前は周りを眺めただけの山の上ホテルのスイートに泊まれたので(母の奢りで!)ある意味立派な建築ツアーか。今回は予算から一泊のみ、ブランクーシ宇野亜喜良の展覧会を見るのが目的、建築見物は余力があったらにするという予定。

行きはマイルを使い9時半に東京着、アーティゾン美術館へ。ブランクーシ展。フランソワ・ポンポンブランクーシこの辺りの具象だけれどかなりの抽象化がされた立体作品が大好物。

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「眠れるビーナス」これの大理石バージョンを40年前ニューヨークで見て以来のブランクーシ好き。ん?ゴロンと寝てる方向が逆だな。

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目玉は代表作「空間の鳥」

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やはりその空間に一緒に身を置かないと凄さはわからんよねー。スピード、一瞬の緊張感と高揚感を鳥の形を借りて具現化する。税関で何かの部品と間違われた逸話があるが、つまりは作品が置かれる周りの空間とコミで、表現は完成するということなのだろう。この作品に保護のカバーがかけられていないのもそのためかな?もうひとつ「魚」も良かったな。黄金に輝く薄べったい笹がれいのようなフォルムがこれまた磨き上げられた円盤の上にスンとのる。円盤が水底のようにも反射し姿を映して水面のようでもあり、うわー、魚だー。アーテイゾン美術館は初めて来た、なかなか素晴らしいもの有名どころをお持ちですねの収蔵展も見、堪能する。

昼はそのまま歩いて八重洲のバビーズ。東京に来るたびバビーズに来てるな。BBQポークのサンドイッチ食し、朝食用にパイ一つ購入、東京オペラシティに向かう。合間にX見てみたら、なんと藤浪選手インスタ更新とな、キャッチボール動画や魔女の宅急便のコピーに乗せての大丈夫報告。うれしや!焦らず取り組んでいただけたら。

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宇野亜喜良展。平日なのに混んでます。予約でチケット買えなかったので購入列に並ぶ。ミューぽんで200円引きとのことでその割引画面を出したかったのにページが更新できずにあきらめる。なんでなん?普段ならざざっと流して見てから後で気になったものをゆっくり見る鑑賞方法だが、今回は全てが気になるので大人しく最初から順に見ていく。しかしね、後ろのおばさまの独り言がいちいちうるさい。うるさい上に微妙に絵の前に割り込んでくる。あらー!まぁ!素敵よねー、ここがこうなって、あらー!……ええっちゅうねーん!!黙って見られんのか!そしてグッと頭を突っ込んでこんといてー!たまらんくなって大きく迂回。

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原画ってこんなに小さいのね。小さくて細かい。ヨーロピアーンな風情のふわふわな髪の少女たち、サイケな彩りの不健康そうなツイッギーたち、皆上目使いで笑顔なく不機嫌そうにこちらを見つめる。そしてスキあらば股をひろげる。

今回心射抜かれたのは意外にも男性を描いた作品群。まず筆で描かれた時代モノ。弘法は筆を選ばず。

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白眉はこちら。

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那須与一の絵本のこれら素敵だ!素材は完璧和モノなのに、洋物を描くアプローチで描かれる那須与一。いやいやいや、洒落たんなー!!馬・若武者・弓、全部洋にも共通するものだものな。

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この絵本シリーズも侍の男の子が活躍する妖怪モンだけれど、洋物を描く手法なので小道具は和でも結果的に無国籍、タッチからの連想は「タンタンの冒険シリーズ」だ。

和物と洋物をシームレスに合体させて新しいものを生み出す、そういえば最近知ったスズメのティアーズの音楽もそうだな。あにきさんのブログで読み、気になって聞いてみた。ブルガリアンボイスのコーラスと民謡の合体。この浮遊感はどうだ。

そうだ宇野亜喜良様、藤浪晋太郎という非常に絵心をくすぐる男性がいるのですが、描いてくださいませんか。一見細く見えますが美しい筋肉をまとい非現実的な肩幅と長い腕と憂いを帯びた眼差しを持つ野球選手です。舞台衣装のためのスケッチ、こちらの「桂冠詩人」似合うぞコレ。鶏頭貞操帯の存在感に対抗するには彼の立派なふくらはぎが必要だ!

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絵葉書数枚と図録を購入。図録重い!めっちゃ重い!スワニーでくれば良かった。本日宿は秋葉原のレム。貯めていたSポイントで支払う。高くなったなぁ、ホテル代。以前の二日分だよ。一旦重いリュックを部屋に置き、晩御飯を食べに秋葉原駅前をウロウロ。よくわからん、あまり遠くまで行きたくないし、ヨドバシの中のインド料理屋さんでテイクアウト。部屋でテレビ見つつ食し、ダラダラ過ごしておやすみなさいー