anemone

ぼんやりしたり、うっかりしたり。

ひとりでparisに行こう

ごめんなさい、このタイトル、言うてみたかっただけ。山崎まさよしさんの名作スモールソング「ふたりでparisに行こう」のもじりですー。

「ミセス・ハリス、パリへ行く」を母と見に行った。ここのところ、母がこちらに居を移す諸々や実家の後始末、ぎこちない同居生活の始まりで、何かを能動的に楽しむ事から離れていた。楽しい映画で満足満足。

フォレストガンプと同じくホラ話系のお話。フォレストガンプが本人の意志に関わらず世の中の変わり目に立ち会い、運をもらってあれよあれよと上手いこと世間を渡っていくのに対して、ミセスハリスは自らの意志と思いやりと誇りで、運を手繰り寄せ世の中の変革がより良い方向へ向かうように背中を押す。そして自らの夢も実現していく。若くてスーパーなパワーを持ったセクシー女性ではなく、小柄で中年を過ぎたこざっぱりした寡婦が、こうしたお話の主人公であることが嬉しい。

あと、ディオールの美しいドレスがたくさん出てきて眼福ですわー。ディオールオートクチュールドレスの数々だけでなく、ミセスハリスの普段着、リバティプリントの小花柄のブラウス姿だったり働く時のターバン風被り物だったりお花が付いてる帽子だったりも可愛い。ホント、今更美人にはなれないワタクシは目指したいものだ、こぎれい。

そして!ミセスハリスのお家の壁紙が、我が家のカーテンと同じ柄だった!ウィリアムモリス商会のDaisy。元々壁紙のデザインだったものを織物にしたと聞いていたが、なるほどなるほど、本来なら壁紙で部屋はああいう感じになるのかー。

主要登場人物に若い男性スタッフがいるのだが、経理係とデザイナーと仕事内容は違えども彼はイブ・サンローランを参考イメージにしたそう。私はディオールから独立後、自分のメゾンを立ち上げた以降のサンローランしか知らないが、まあその、実際のサンローランは動きが独特で(リザード系)、見るからに天才ー!キョーレツなオタクー!で近寄りがたいというか距離を置きたい印象を持ちましたなー。若いハウスマヌカンに恋するってことも絶対なかったろうし。

 

さてさて、アメリカンリーグのMVPは下馬評通りジャッジ。満票じゃなくて溜飲を下げたけれど、それが気に触るメディアもあったりで言うに事欠いて「オオタニに票を入れた記者は恥を知れ」とはナニゴト。他人の価値観に対してそのような罵声を浴びせるなんてアンタ何様。例えば一人持ち点50を選手ごとに自由に振り分けていく採点方式なら、ここまで差は開かなかったと思うな。しかしまぁ、アメリカの人は規定投球回規定打席数同時達成にはほとんど注意を払わないってのがよくわかった。そこに対する敬意のようなものが感じられないもの。WARでしたっけ?同時達成したらロースター枠を増やすことでチームに貢献したとしてポイント二倍プレセント!とかあっても良いんじゃない?大谷選手自身は同時達成を毎年狙うつもりはなさそうで、ということは、「エリートクラスで同時達成」ってのは孤高の記録になりそう。何年もしてから「2022年のオオタニ、奇跡のシーズン」として評価されるのでしょう。

でも何の賞もないってのは、アメリカ野球界にガッカリだ。ちっさいおっちゃんが憑依してしまう。あんなぁMLB、こんなけスゴいことやってんのになぁんもやらんて、なんやそれ。わかった!もうええ、おまはん1、2年野球やめてやな、他のこと、そや、水泳せぇ水泳。オリンピック行ったれ。おまはんのおらんMLBがどんなけつまらんかメリケンのアホどもに思い知らしたったらええねん!

でもこの発表番組での姿、来季は髭面にしますぅってフニャ〜と笑う姿見たら、なんかどうでも良くなってしまった。投打どちらもやると決めた時からずっと、二兎を追うものは云々みたいなことを言われ続けてきただろう、でもそれも織り込み済みでやりたいようにやってるのだから、評価があろうとなかろうとこれまでと同じくやりたいようにやっていくだけだもんね。ミセスハリスと同じく、自らの意志と思慮と誇りで、大谷翔平選手もまた運命を切り拓き夢を実現していただきたいもの。