
生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪2025の二日目。本日は午後スタート、倉方俊輔先生の建築トークセミナー2連発であります。
グランキューブ大阪に見る黒川紀章の思想
グランキューブは何度もライブで行っている。北大阪急行沿線民としては、京阪の中之島駅が一番近いのがイマイチ行きにくい。オバハン経路として梅田発のロイヤルホテル(グランキューブのお隣)の送迎バスに乗るというテがある。今日も乗せてもらったらお礼に油がジュワッとしゅんでこってりグラニュー糖がまぶしてあるメリッサのドーナツ買おうと思ってましたよ、でも列が長くて次のバスに乗れそうにない。慌てて阪神で福島まで、そこから小走りにてようやく間に合ったー。倉方先生の黒川紀章解説は「いい意味での通俗性」がキーワード。日本発の建築思想メタボリズムを掲げ若くして注目された、いや、メディアに出まくって注目されにいったとも言えるな、黒川紀章。私は70年万博リアルタイムなので、世間が未来を感じさせてくれる建築家黒川紀章にどれだけ熱狂していたのか知っている。倉方先生曰く、そこまで熱狂を呼んだのは、彼の建築のわかりやすさ通俗性にあった。ほら用途や使う人数が変化したらそこだけぽこっと取って必要なものとすげかえるんですよ。おぉー!なるほど未来だー!みたいな。「少年が考えた未来の世界」のような親しみやすさもある。これはガジェットに包み込まれる感覚がある秘密基地の如きカプセルホテルに顕著。彼は曲線も好きだった。どこかに使っています。グランキューブ大阪もキューブと称しながら最上階の会議室は半球だったりする。また細部に構造体を露わにしたりしてアクセントをつけ未来感を出している。皆がイメージする未来のアンテナ然としたアンテナ、古代の遺物のような屋上の列柱、いろんなものをギュッと詰め込んだおもちゃ箱のような建物。
印象に残った倉方先生の言葉「建物は良いものだから残っているのではありません。所有している人が沢山のお金と手間をかけて残しているのです。建物は何もしなければ残っていかないんです。こうした建築イベントは、そうした努力をして建物を維持して下さってる人たちに感謝を伝える意味もあるのです」「今このグランキューブ大阪は一番価値が落ちている状態です。建物の価値は周期がある。建ったすぐは新しい建物として価値や評価が高い。それから25年くらいしたら新しくないことで評価は下がる、だがそれから年月が経って50年ぐらいしたら再び評価されるようになる。このグランキューブ大阪もそうです」

倉方先生と嘉名先生が語る”近代大阪の橋と建築”
ルポンドシエルビル[大林組旧本店]にてトークセミナー。土木が専門の嘉名光市先生が大林組が手掛けてきた大阪の橋についての講義をなさり、後に倉方先生と橋を建築土木両方の観点から捉え直す試みのトーク。一番の知見は、橋が都市の中で最初にできる、そのためその橋の意匠を素晴らしいものにする。明治大正の大阪に、最初にできる橋の意匠と調和の取れる建築物を後々建てて美しい都市を造っていくというポリシーがあったこと。また、橋の設計をした武田五一の信条が「橋は塔が重要である」であったこと。なので大阪の橋は高い塔を持つものが多い。そうなんだ、見てみよう。セミナーが終わってから倉方先生が大林組の方とおしゃべりしているのを漏れ聞いた。大林組の方はイケフェスを機会に整理した過去の資料から新たにわかることもありますとおっしゃっていて、倉方先生「市民に建築を見せるというイベントですが、見せる側ももう一度自らの建築を見つめ直すキッカケにもなっているんですよね」なるほどなぁ、見る人にも見せる側にもためになる良いイベントだなぁ。長く続いて欲しい。
帰り道に見た難波橋。なるほど塔が高い!
