
茨木市の複合施設「おにクル」で行われたシンポジウム「若手建築家と共に考える万博とこれからの建築」に行ってきた。おにクルの広い1階ロビーに設られた会場の様子。普段はカーテンで仕切られている。これからどんどん人は増え、席はほぼ埋まる盛況ぶり。
8/24(日)に「おにクル」で万博建築イベントをやります。来てくださいhttps://t.co/doQ2petETV pic.twitter.com/oTZivonAh0
— 倉方俊輔 (@KurakataA) 2025年8月19日
とっても興味深く、そして楽しかった!
登壇者:新森 雄大(休憩所4)、工藤 浩平 (休憩所2)、小林 広美・大野 宏 ・竹村 優里佳(トイレ2)、野中 あつみ・三谷 裕樹(サテライトスタジオ東)、米澤 隆(トイレ5)⁰コメンテーター:倉方 俊輔先生
— tamazo@鉄窓花書房🌷9/7コミティア東京 (@tamazo919build2) 2025年8月24日
と豪華メンバー。最近で一番面白くて来て良かった。米澤さんにはスタンプ貰いました。 pic.twitter.com/cXd6brXwzN
第一部は自己の経歴や建築の信条、そして今回万博で設計を担当したトイレだったり休憩所だったりサテライトスタジオだったりの建築テーマを自らプレゼンするというもの。これは残念石トイレ、頭上に岩を浮かせた休憩所、2億円トイレの炎上3組がご苦労された分、そしていろんなところで説明されてきた分、興味深く面白かった。
休憩を挟んで第二部は会場からの質疑応答をもとに議論を進める形。開かれすぎたシンポジウムであったなら、一気に政治色が出て紛糾したかもしれないが、JIA公益社団法人日本建築家協会主催、参加するには氏名及び所属の申告が必要といういわばその道のプロフェッショナルがほとんどという場であったため、会場からの質問も的確でソコ聞いて欲しかったのよ、というものばかり。「先ほどプレゼンされた設計のコンセプトは興味深かったが、会場来場者には届いていないのが残念だった。こうした設計思想を届けることについて感じていることを聞きたい」「設計する建築家と施工する側はともすればぶつかりがちだが、今回はどうだったのか、また施工する側と協力していく上でどのような働きかけをされるのか」「万博建築に携わった経験を、今後の建築家活動にどう活かしていこうと思われているのか」「今回は岩や大地や木などプリミティブな素材を扱う建築が目立ったが、新しい素材に対してはどういったスタンスで取り組まれるのか」それぞれの質問に若手建築家たちが真摯に発言していく中で浮かび上がってきたものがある。社会がどんどん閉塞させていく公共イベントを未来に向かって前進させていくためには、初めから全部を決めてしまうようなガチガチのものではなく、熱意が盛り込めるようなスキマが必要だということ。一つの事業に対して、いろんな立場の人間が、建築家だったり行政だったり不動産業界だったり、様々な立場で熱意を持って発言なり行動していくことが、閉塞を打破し建築の未来を開いていく道筋となるだろうこと。今回の万博が図らずも開かれた万博となっているのは、これまでだったら電通などが仕切り、完成形としての万博をひたすらアピールする形だったが、そういう流れが無かった、万博協会からの発信がなかったために、代わりに建築家であったりデザイナーであったりが自己の仕事についてどんどん説明していくことに(ハメに?)なったため。その流れの中から、今まで知る由もなかったクリエイター側の考えであったり公共イベントの予算縛りによる変遷を世間は知ることとなった。そして不備に対応する形で関係者以外の世間一般から地図なり予約攻略法であったりが生み出されたり、こみゃくの二次創作グッズ作成によって能動的にイベントに加担していく楽しさが広がっていくことになった。そうか。この前に京都に見に行った関西万博デザインシステムのデザイナー引地耕太さんの展示も、これまでだったら開示されなかったアイディアが形になっていく過程を展示したもので、こんなものまで見せて良いの?とこちらが戸惑うほどの内容だった。
このシンポジウムを私のような素人が聞いてて楽しいと思えるものにしてくださったのは、コメンテーターとして参加されていた倉方俊輔先生の要所を締める的確なコメントと、2億円トイレの米澤さんの熱量だったかもしれない。
万博関連トークイベント「若手建築家と共に考える 万博と"これからの建築"」が、茨木市の「おにクル」で開催された。
— 米澤隆 (@yonezawatakashi) 2025年8月24日
会場は1Fオープンギャラリー、市民に開かれた場であったからこそ、一般来場者からの率直な感想や質問に登壇者が応答するかたちで進行し、双方向の対話が生まれた。… pic.twitter.com/aU63VpeBX8
米澤さんはいくつか「変えていきましょう!」と宣言してくださっていたが、私が最も感銘を受けたのが、単なる入場者数や黒字になるかどうかなどの数でのみ万博は成功したか否か判断されようとしているが、そうではなく実際に関西万博に行って感じた楽しかった!という感動の総量で測られるように「変えていきましょう!」 熱量や能動的な働きかけによって、これからは先端的に物事の形を作っていくクリエイターと一般大衆がつながっていけるのではないかという希望が持てたシンポジウムだった。
【今回の万博は世界初のボトムアップ型のブランディングか?】イギリス発のグローバルメディアで文化・ビジネス・デザインをテーマにしたコンテンツを発信する「MONOCLE」のラジオ番組で、今回のデザインシステムをはじめとした大阪・関西万博のブランディングやクリエイティブディレクション、「こみ… pic.twitter.com/ll8D6c0KUz
— 引地耕太 | VISIONs CEO / COMMONs 代表 (@kouta_hikichi) 2025年7月2日