兄の四十九日。早いものだ、もう兄は歳をとらない。私たちばかり老いていく。
仏説阿弥陀経。極楽というところは、金銀財宝に飾られた素晴らしい場所だよ、妙なる声で歌う珍しい鳥たちがいるし、日に何度も空からお花が降ってくる。素敵な音楽もBGMで流れてる。嘘じゃない、仏さまみぃんなが素晴らしいところだよって言ってるからね!行きたいよね、極楽世界。行きたい人は阿弥陀さんの教えを素直に信じたら大丈夫、阿弥陀さんはみんなを救ってくれるんだよ!
インドで生まれた宗教だなぁ。宝石で飾られた欄干、金銀が輝く水辺。キランキランだ。そういうわかりやすくゴージャスなところで安寧に過ごせるのかしら。私にとっての居心地の良い場所、そうだなぁ、本を読むのにちょうどいい一人がけのソファ、手元を照らしてくれるフロアランプがそばにあって、暑くもなく寒くもなく、サイドテーブルにはタブレットがあって、もちろんWi-Fiは繋がっている。(極楽にもWi-Fiありますか?) んー、あんまり宝石やら金銀やらは重要ではないなぁ。身近なところの極上版が憧れる場所、極楽世界であるというのは、幸せなこと。現状の生活がおくれている毎日に感謝をしないといけないな。