anemone

ぼんやりしたり、うっかりしたり。

東京見物覚書

阪急系のクレジットカードを使っている。IC定期も兼用しているのでちょこちょこポイントが溜まる。年に一度ポイント交換でもって懸賞に応募するのが楽しみ。以前は「マグロセット」なるものが当たり、赤身・中トロ・トロの短冊を皆で食べ比べて楽しんだ。その次の年はスカだったが、昨年末応募分は「レム秋葉原」の宿泊券が当たった。やたー!調べるとレムは湯船がなくシャワーのみとのこと、諸々考えて梅雨前の5月中旬に東京に遊びに行くことにした。今回はライブ観戦の予定なく、建物をあちこち見て歩くことをテーマに一泊二日。

 

朝9時の伊丹発ANA機で出発、到着少々遅れて10時半ごろ羽田着。よーじ屋空港店で小さいハンドクリーム購入後(前回も買った)、電車で品川まで。まず目指すは原美術館

品川プリンスホテルを横目で見ながら道なりに歩くことしばし、閑静な住宅地に美術館となった原邸がある。渡辺仁設計。11時半頃到着、入り口は今回の展覧会のニコラ ビュフ「ポリフィーロの夢」の最初の作品であるでっかいワンコ的敵のお頭にすっぽり包まれ、まずは悪もんの体内へと入って行く趣向。悪もん退治にすぐに胎内巡り、いや展示室巡りをしたいけれどもはやる気持ちを抑えて、まずはカフェ ダールで腹ごしらえ。

 カフェ ダールは入館した人のみ利用できるところなので空いているかと思いきや、もうすでに土日限定「ガーデンバスケット」は売り切れ、結構なお客さんで席が埋まっている。お庭に面した一列目に案内してくれた。芝生の緑が気持ちいいわー。暑くもなく寒くもなく、絶好のテラス日和。パスタで昼食。磯崎新設計のテラスとのことだけれど、まその、テラスですわねー。お腹も一杯、元気も一杯で、さぁ夢の中の冒険に旅立たねば。なんだかとても愛らしい甲冑、おしゃれーなインスタレーション、そしてええっと「拡張現実の技術を用いたインタラクティブなマルチメディアインスタレーション」でもって、自ら当事者となってラスボスと戦ってまいりました。はははは、もうおばちゃんトシなもんだから素早くからだが反応しないわけ。敵の光線が当たる当たる。でもまぁなんとか最後はブシュワッとソードで斬り倒してやっつけてやりましたぜ。変な汗かいたわー。(青い日記帳さんの素晴らしい紹介記事 http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3584 )  原美術館の常設展示のトイレの森村さんやらデジタル数字なんかも見学、あちこち邸内を歩き回る。階段を丸く囲む小さなガラスブロックが美しい空間を作り出す。売店でクジラの爪ブラシ購入後、次の目的地、国立西洋美術館へ移動。

上野。うぉー、一杯の人!まずはジャック・カロの展覧会。銅版画を専攻していた関係でジャック・カロはもともと大好き、だけどこの言うたらマイナーなヒトで一つの展覧会してお客さんくるんかなーとか心配してみる。まぁ、自分とこで持ってるもんばっかの展示だから大丈夫なのかな、とか。かねてより所持していたみずゑジャックカロ特集号とほとんど内容同じ、展示室最初に虫眼鏡が置いてあり、それで細部までじっくり鑑賞してもらうという趣向が楽しい。また、これはDNPの技術なのかな?細部を大きく映し出せるモニターあり、スクロールして気になるところを好き勝手に確かめられる。うはー、面白いなぁ。カロだけじゃもたんということで、平野啓一郎氏セレクトによる所蔵品の企画展も抱き合わせ。これが思わぬ儲けもの、美味しい趣向にて所蔵品の有名どころを年代をクロスして鑑賞できて楽しかった。

2時15分になったのでロビーに移動、今日のハイライト、ボランティアによるル・コルビュジエの美術館の建築解説ツアー参加申し込みをしないと!30分から整理券配布、もうすでに参加希望者らしい人が何人か。30分の配布時間にはかなりの列ができていた。無事整理券を貰い、売店で時間を潰して3時より建築探検ツアー開始!本日がボランティア解説デビューとのおじさまの案内でぐるりと内外を見て回る。柱だわー、ずどんと天地を突き通す柱。モデュロールの関係で一部低い天井になっている部分が妙に心地いい。それにしても、226センチが住宅の天井にちょうど良い高さって、それってヨーロッパの人には低すぎやしませんか、コルビュジエさん?155センチない私でも、もうちょっと欲しいかも。

さて、ホテルにチェックイン、ということで秋葉原に移動。レム秋葉原は駅のほん側。秋葉原の街を見物する間も無く入り口到着。無料券を差し出して部屋へ。狭い部屋にでっかいベッド。そしてマッサージチェアでもうぎゅうぎゅう。マッサージチェアに座ってみるも、フットレストがデスクに当たってリクライニング出来ないよ。でも、全体の印象はモダンで綺麗だし確かにベッドは寝心地良さそう、こんなに駅に近いのに静かで、荷物が大きくなければ機能的に充分、うん、いいんじゃないでしょうか。なにしろタダだし。フロントでもらった甘い紅茶を入れて一息つく。

むっくり起き出して、次は辰野金吾の東京駅の見物に。広いでかい!東京駅は取り潰すか否かで揉め、結局こうして復原された。大阪の中之島公会堂も撮り潰すか否かで揉め、今は手を入れられ美しくなった。潰しちゃいかんでしょ、こういったものを。高いドームを見上げ、つくづく思う。夕闇迫り、駅がライトアップの光に包まれて行く。駅の向かいの新しそうなビルに屋上庭園のようなもの発見、道を渡って行ってみる。狭いドアから出ると、屋上庭園はカメラを構えた人で賑わっている。斜め上から眺める東京駅。風が頬に気持ちいい。

晩御飯は上野広小路の洋食屋さんへ。一皿の半分サイズがあるのが面白い。うまいことできてるなぁ。いろんなものが食べたいものね。タンシチューは柔らかく、ホワイトアスパラは美味でございました。

宿に帰ってシャワーを浴びテレビをつけたら、佐野元春氏と漫画家さんがボブ・ディランの足跡をたどる旅をしつつ対談する番組をやっていた。NYのダイナー、レコーディングした田舎の家。番組が終わってテレビを消したら、すとんと眠ってしまった。