anemone

ぼんやりしたり、うっかりしたり。

旧甲子園ホテル

仕事を休んで午後から武庫川女子大学甲子園会館の見学に行ってきた。

 


日本近代建築・誕生秘話「甲子園ホテルの想い出」

 

甲子園会館は、元は阪神電鉄が昭和五年に作った甲子園ホテルの建物。東の帝国ホテル、西の甲子園ホテル、と言われたハイソサエティ御用達のリゾートホテルである。フランク・ロイド・ライトの弟子遠藤新が手がけた。正門から対峙する平たく広がり、ごつごつとした表面が階段状に盛り上がっていく威風堂々とした建物の顔は、まさにロイド的。遠目から見る煙突が二本屹立している様もロイドの山邑邸を思い出させる。

 
ずっと大学職員の方が案内してくださる。歴史から館内の見どころまで詳しく解説してくださってありがたかった。その中でしばしばアールデコ様式、という言葉が出てくるのだけれど、んー、どうだろ、なんかこう、あまり、言っちゃぁナンだが、形としてすっきり見えないので、アールデコと言われてもぴんとこない。和洋折衷を意識しすぎて、モチーフの打ち出の小槌を使いすぎてないかい?そしてライトから受け継いできたインカ趣味も強烈に加わって、かなりマニエリスティックな空間が出来上がっていた。
 
ライトの山邑邸では、メリハリのある過剰さがライトのデザインセンスでコントロールされていて、とっても心地良い空間が出来上がっていたのだけれど、んー、やはりライトって素晴らしいデザイナーだったんだなぁ、と甲子園ホテル見て思う。や、すごいんですよ、甲子園ホテルも。圧倒されますよ。ボールルームの装飾がすごかった。幾重にも連なって垂れ下がる打ち出の小槌モチーフ。これ全部が金色に塗られていたそうで、これじゃまるで仏壇のうちっかわというか、煌びやかなお寺の本堂みたいだ。トゥーマッチなんだけど、これがお客を喜ばせるための商業施設ならではなのかもしれない。
 
お昼を食べ損ねていたので、梅田まで戻りルクアのサラベスでバターミルクパンケーキ。しばらく経ってやってきたのは4枚ずらされ重なったパンケーキ。うわぁー、私のお腹もトゥーマッチですわー。